第6章 満月
カブトは腕を組んで口端を上げた。
「迷惑を、かけてるんだ。気を付けろよ、牡蠣殻」
「心掛ける」
「心掛ける?また随分と腰の引けた物言いだな。馬鹿にしてるのかい」
「してない」
「直すと言えよ?」
「確信もなく言い切れるものか」
「姿勢の問題だって言ってるんだ」
「ならそう言え」
「・・・偉そうに」
「偉くない」
「じゃ、それらしくしてろ」
「どれらしくだ?」
「それって言ってるだろ?」
「だからどれの事だ」
「それらしくだ!」
「・・・わかった」
「わかってないだろ!?」
「何なんだ、一体・・・」
うんざりした牡蠣殻とカブトを見比べて、大蛇丸は呆れ顔をした。
「止めなさいよ、バカらしい。アタシはバカは嫌いなのよ。下らない言い合いしてるようなら丸呑みして消化吸収するわよ?」
「・・・腹を壊しても治してあげられませんよ、腹の中からじゃ・・・」
「じゃ半分呑むわよ?」
「・・・大蛇丸様は案外バ・・・・・」
「・・・バ、何?バ、何なのよ、カブト。言ってみなさいよ?あァん?」
「・・・・バ・・・バ・・・バウアーですね・・・」
「何それ。何でアタシが24時間超過勤務した挙げ句政府に追い回される間抜けだってのよ?大体あんなモン五時にタイムカード切ってとっととうち帰りゃものの五分で終わる話じゃない?それをあの男がグズグズ何にでも首突っ込むから一日かけて延々要らない目にあって寝るに寝れなくなる訳でしょ!!!バカくさい!バカくさいわ!面白いけれども!24時間ぶっ通しって!付き合わされる方の身にもなれってのよ!バッカバウアー!」
「あの時期それこそ睡眠障害起こしてましたもんね、大蛇丸様・・・」
「あのバカに睡眠時間奪われて殺されるとこだったわよ!挙げ句にゃ完全にトニーか中国政府側の心境になって視てたっつうの!んッとに何だってのよ、あの男は!」