第6章 満月
「あぁ、帰れ帰れ。波平様に襲われる前に帰っちまえよ。気を付けてな。五代目やアスマさんによろしく」
チョスと手を上げた藻裾の頭に、シカマルがチョップをくれた。
「・・・?何の真似よ?」
「オメエもいつまでも拘ってねェで我愛羅ンとこ行けよ?」
「余計なお世話だって。アタシのこたアタシが決めんだ。とやかく口出しすんなって」
「そうだぞ奈良!余計な事言うな!汐田、焦りは禁物じゃん。我愛羅は逃げやしねえからな」
「・・・・オメエはやっぱちょっと泊まってけ、ジャンジャン。オメエとは少し話し合う必要があるな。何せ将来のお愚兄さまだもんな?身内になるんだからよ。わかり合わなくちゃな?だろ?ん?」
「・・・いや、俺は早々に婿養子になる予定じゃん。お気遣いなくじゃん」
「相手はいんのかよ?」
「いねえ。けどこの意思は放置されたプロセスチーズより固ェ」
「アタシはソレを噛み砕いて食うのが大好きだ。固いモン噛み砕くのって快感だよな。オメエもバリバリに噛み砕いてやる」
「いや、ちょっと待て。プロセスチーズは言い過ぎた。濡れ煎餅くらいで手を打つ」
「残念だったな。アタシャ濡れ煎餅も好物だ。じゃな、バンビ。またそのうち」
カンクロウの襟首を掴んで引き摺りながら藻裾がシカマルに手を振った。
シカマルは苦笑いの渋い顔でそれに答える。
「無茶苦茶言ってねえでカンクロウも帰してやれよ?じゃな」