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連れ立って歩く 其の三 鮫と虚貝編 ー干柿鬼鮫ー

第6章 満月


「いや・・・・大丈夫なのか?・・・・・・何てえか・・・そんな牡蠣殻さんが大事だったのかよ、波平さん」

盆の窪に手を当てて聞きづらそうに言ったシカマルに、藻裾は腕を組んだ。

「物心ついたときからずっとなんだよな。けどまぁ、アタシもここまでたァ思わなかったよ・・・」

角都の報告を受けてから、波平は少しく様子がおかしい。何としてでも角都からの報告書を盗み読みしなければ・・・。

藻裾は難しい顔をしているシカマルとカンクロウを見、朗らかに笑った。

「あのな、波平様は満月の晩に鮫に油揚持ってかれたって思ってんだ。去年の散開の前日な。だからサ、今日みてえに月が明るい晩にゃ、思い出してちっとばかり詩人になっちまうんだ、きび悪ィよな、うん。あれ?うんっつった?今アタシ?何か懐かしいな。うん」

「・・・・鮫は油揚食わねえぞ?」

散々難しい顔をした挙げ句、シカマルが渋々口を開く。

カンクロウと藻裾が顔を見合わせた。
渋い顔をしているシカマルを揃って見、再び顔を見合わせて肘をガツンと打ち付け合う。

「聞いたかオイじゃん?アイツわかってねえじゃん?」

「な、アッタマいいのにわかってねえぞ、プ、イヤッハー言っとく?イヤッハー言っとく?」

「イヤッハーじゃーん!」

「・・・・ん。ま、そんなトコか。ジャンジャンだもんな、オメエは」

「・・・・何ソレ?言っとくけどな、コレ相性の問題だと思うぜ?オメエと俺はマジ合わねェの。俺だってオメエ相手じゃなきゃびっくりするくらい輝くんじゃん」

「見た事ねえな、そんなアナタは。じゃ、ま、一丁輝いて見せろよ。ゴキブリ並みに黒光りしてみろ?」

「待てコラ。何で俺の輝きがゴキブリの黒光りなのよ?」

「じゃダンゴ虫の照りか?フンコロガシのいぶし銀か?」

「俺は虫じゃねえ!」

「当たり前だ。我愛羅さんのお愚兄さまが虫なワケねえだろ。バカ言うな。誰もジャンジャンが虫だなんて言ってねえよ。虫みたいに輝きそうだっつってんの」

「俺が輝いたらテメエ、プライベートタイムの小倉智昭並みに素晴らしくテカテカだぞ?なめんじゃねえ」

「・・・・いや、オメエがそれでいいならアタシは何も言うこたねェよ。てか、プライベートタイムの小倉がどんくれェの眩しさかわかってんの、ジャンジャンは」

「知る訳ねえじゃん。知りたくもねえ」

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