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連れ立って歩く 其の三 鮫と虚貝編 ー干柿鬼鮫ー

第5章 草という里


「ああ、アンタらやらオカマ蛇やらしょーもねえメンバーが初っ端から雁首揃えてたモンな。そら始まるモンも始まんねえよ、うん」

片口を底意地悪く吊り上げたデイダラに角都は眉ひとつ動かさない。

「何で金が要る?」

「しつけえな!オイラがオイラの金をどうしようとオメエにゃ関係ねえだろ?金金金金勘弁しろよ!オイラ、絶対オメエみたようなカネゴン爺にゃならねえぞ!!」

「誰がなれと言った。勝手に何にでもなれ。好きにしろ。ただ俺の金を要求する以上俺の関心を引く事は当然と心得ろ。正に身を切る思いで身銭を切る俺の気持ちがお前にわかるか?」

「だっはッ、どうっでもいいわ!!!出納係の寝言は事務所か金庫で抜かしやがれや!バカ!ちくしょう!もういい!うん!止め止め止め!」

「何だ、デイダラ。一人で荒れてんじゃねえぞ?うるせえぞ、あぁ?」

デイダラはキッとサソリを睨み付け、足を踏み鳴らしてきびすを返した。

「草に行く!」

ずかずかと立ち去るデイダラに、サソリと角都は顔を見合わせた。

「・・・何なんだ、ありゃ?メンドくせェな、おい」

「手元不如意なのは確かだな」

「欲しいものがあるのだ。放ってやれ」

お茶と団子皿を手にイタチがサソリの隣へ腰かけた。

「何だ。いつ来た?」

「飛段は草に残ったのだな」

角都の問いに直接答える事はせず、イタチは湯呑みを掌に包んで目をスッと細めた。

「ずっと立ち聞きしてたのかよ。存外出歯亀だな」

卓に頬杖をついてサソリが人悪く笑った。

「お前たちが俺の前で勝手に話していたのだろう。気付くのが遅すぎる」

じっと団子皿の上の餡子と胡麻ダレを見詰めながら、イタチが括淡と返す。

「角都では金目当てにどうされるかわからぬ、俺では交わりが薄すぎて説得する前に退かれる、サソリでは逆に逃げ出されるだろうし、鬼鮫は論外。庇われて恩のある飛段と汐田を通してまだ親しみのあるデイダラを出したのは間違いないが、それでも牡蠣殻が捕まるとは思えない。生きていて姿を現さぬのであれば自分の意思という公算が高い。更には死んでいる可能性も否定出来ぬ。まして大蛇丸も絡んだ事、何の根拠があって草に絞った?音は調べたのか?」





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