第4章 成り損ないの蛇とカキガラ
「こんな長い間行方不明になってたら何処にいたのか気になるのは当たり前だろ?お前なんかこの半年ずっと涙目だったじゃないか」
香燐に言われてカブトは目を三角にした。
「バカな事言わないで欲しいね。僕はその、アレだよ、何て言うか、ホラ、花粉症なんだよ」
「・・・・・へえ・・・・・」
「・・・・・へえってなんだよ」
「別に。大変だなって」
「ほっといてくれよ」
「え?ほっといて欲しいのか?いつ見ても凄く構って欲しそうに見えるがな・・・」
「・・・・・ずっと黙ってたと思ったら満を持してそれかよ。重吾、君、案外キツいよね・・?」
「そうか」
「・・・・・そうかって・・・薄々感じて敬遠してたけど、案の定君って絡みづらいタイプだな・・・」
「そうか」
「・・・・サスケくんはこのメンバーで何をするつもりだった訳?若いときの苦労を買って出ようって心意気?見上げた心掛けだけど苦労しかしないと思うな・・・・」
「・・・・・・・」
サスケがピクッと目尻を震わせてクッと顎を上げた。
「貴様には関係ない事だ」
「関係ない訳ないだろ?君らは今のところ、言ってみたら大蛇丸様に扶養されてるようなものなんだから、自ずと僕とも拘りあう事になる。勝手に寄り集まられちゃ迷惑なんだよ。しかも何だよ、この面子は。サスケくん、君の人選のセンスはハッキリ言って独創的すぎる。一体何をする気だったんだ?ビックリ人間大集合ショーか?ベガスで興行でもしたいのか?言っておくけど世界の壁は厚いよ。君ら程度じゃワールドワイドな笑いはとれないだろうね」
「・・・・・・・・貴様には関係ない事だ・・・・・」
「ちょっと声がちっちゃくなったね?」
「き、きさ、きさま・・・きさ・・・貴様には関係な・・・」
「わかったわかった、もういいから。針の飛んだレコードか、君は」
カブトはどうどうとサスケを宥めて引き戸を引いた。
「大蛇丸様は明日には帰る。話したければそれまで待つんだね」
「あの女は大蛇丸様が連れて来たんだろ?被験体なのはわかったけど、何でウチらに会わせたんだ?」
香燐に問われて部屋を出かけていたカブトは肩をすくめた。
「さあ?僕は大蛇丸様じゃないからね。わからない。ああ、でもそう言えば・・・」
サスケの顔をじっと見詰め、カブトはニヤリと口角を上げた。