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連れ立って歩く 其の三 鮫と虚貝編 ー干柿鬼鮫ー

第4章 成り損ないの蛇とカキガラ


「触ればどうなるって言うんだ?ちゃんと言えよ。気を付けようがないだろ」

香燐が眉をひそめて腕組みした。

「ああ、君には後でちょっと用がある。牡蠣殻とキミとで試して貰いたい事があるんだよ」

含み笑いしたカブトが香燐に頷いて見せる。香燐はウ、と、怯んだ顔をしてサスケの陰に隠れた。それを見て水月が嬉しそうに笑う。

「実はヘタレだよね、キミ」

「・・・・!うるさいぞ!」

「うん、そうだ。水月、君にも手伝って貰おうかな。二人とも四ヶ月ほど不自由するかも知れないけど、そこは仕方がない。大人しくしていれば何て事はないからね。安心していいよ」

「・・・ちょっと何言ってんの、カブト。何て事大有りっぽいよね?てか何て事しかないんだろ?そうなんだろ?僕は嫌だよ。重吾かサスケに頼めば?・・・止めろ、こっち見るな。そこらじゅうビッショビショにするぞ?僕でずぶ濡れになりたいのか?ちょ、見んなってば!蒸発するぞ!?気化にチャレンジするぞ!?いいのか?ん?何だ?興味深そうだな!?チクショウ、僕、余計な事言っちゃった!?実験の種を撒いちゃった!?」

一人で騒いで頭を抱えた水月を呆れ顔で見ていたサスケが、カブトに顔を向けた。

「俺がやる」

「駄目だよ。君に何かあったら僕が大蛇丸様に殺されかねない」

「・・・何だよソレ。僕には何があってもいいってのかよ」

「そんな事ハッキリ言ってないだろ?」

「ハッキリ言ってないだけだよね?でもハッキリしちゃってるよね?」

「・・・大蛇丸は関係ない」

ウンザリしたように水月を眺めてサスケが続ける。何かを後悔し始めている顔である。

「ここにいる限り大蛇丸様と関係ないってことはないだろ?」

カブトが肩をすくめた。

「どっちにしろ話は大蛇丸様が戻られてからだ。君たちもそれぞれ元の場所に戻って貰う事になると思うから、今のうち仲良くしてたらいいさ。今度いつ会えるかわからないしね」

「アイツどこ行ってんのさ?」

頭を抱えていた水月が顔を上げて訪ねた。同様の疑問を持った全員の目がカブトに集まる。

カブトはドア枠から手を離して苦笑いした。

「そんなに大蛇丸様と会って話がしたいのかい?あの人アレで話好きだからね?変に乗せちゃうと長くなるよ?加減てモノを知らないおばちゃんの問わず語りが聞きたいなんて、君たちも変わってるね」
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