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連れ立って歩く 其の三 鮫と虚貝編 ー干柿鬼鮫ー

第19章 この際牡蠣殻は関係ないらしい。


「また帰宅部!?皆どんだけ俺をうちに帰したいのよ!?何なんだアンタら、カンクロウをうちに帰そう部か!?そういう活動でもしてんのか!?誰得なんだよ、その活動は!?こんな頑張っちゃってる俺にどういう仕打ちよ!?部長は誰だ!?ぶん殴ってやる!!」

「帰宅部の部長はあなた自身でしょう。帰宅部の集団下校なんてないでしょうからね。自分をぶん殴るんですか。手加減しないように気をいれて下さいよ。上手くすれば私の手間も省けます。さあ、どうぞ」

「いや、俺部長じゃねえし!」

「言い逃れですか?見苦しい。サッサと男らしく自死しなさい」

「誰が部長を殺るっつったよ!?ぶん殴るだけじゃん、ぶん殴るだけ!」

「はあ。やっぱりヌルイですねえ。まあいいでしょう。早いところやっちゃって下さいよ。・・・手伝いましょうか?」

「俺は部長じゃねえって言ってんじゃん!?聞けよ、話を!!」

「ああ、残念ですね。どうやら私は人の話を聞かない質らしくてね。あなたが砂に連れて行きたがっているバカ女がそう言ってましたよ。で?手伝いますか?」

「・・・後で自分でやるからほっとけよ」

「今も後も変わりませんよ。まさか誤魔化すつもりじゃないでしょうね。何せあなたは仮にもツナの里の御曹子ですからねえ。そんな姑息な真似はしないでしょう?」

「だから俺は部長じゃねえんだよ!!!!」

「やれやれ仕様もない人だ。誤魔化す気だった訳ですね?」

「大体誰情報なんじゃん?ツナの里!誰に聞いた訳、その幻の里情報!?それとも俺が知らないだけでホントはちゃんとあんの、ツナ!?実はそこが故郷なの、俺?そうなの!?」

「バカですか、あなたは。そんなふざけた里なんかある訳ないでしょう。頭を冷やしなさい。・・・手伝いますか?水なら溺れる程出せますよ」

「何なんだその手伝いたがりは!?頼んでねえし!アンタの話の通じなさっぷり、何か磯っぽいぞ!?」

「はあ、そうですか」

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