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連れ立って歩く 其の三 鮫と虚貝編 ー干柿鬼鮫ー

第13章 鬼鮫と磯辺


「のび太のいねえドラえもん並み」

「ガンダルフと関わらなかったホビット庄並み」

「八兵衛抜きの水戸黄門並み」

「リーダー抜きの暁並み。いいな、コレ。うん」

「ばははははッ!オメエそりゃ言いすぎだぜ、ぐふ・・・ふ・・・・ハハハハハッ」

「・・・誰もいない暁というのはどうです」

「・・・止めろよ。里に帰りたくなんだろ?あ、こらどうだ?らっきょう抜きのカレー」

「なッ、ばッ、らっきょうのねえカレーなんかあるか!オイラは認めないぞ、うん!」

「要らねえよ、くせえ」

「くせえだと!?ざけんなテメエ、舌引っこ抜くぞ!?」

「何でよ。カレーくれェ好きに食わせろ」

「飛段でも好き嫌いがあるんですか・・・思ったより複雑に出来てるんですね・・・」

「・・・テメエ、フカヒレ食わすぞ?」

「ハイハイ。何でもいいですよ、出ていきなさい。デイダラ、杏可也さんに会いたければ苦手を圧して伊草さんに頼むといい。多分会えますよ。それがあなたの会いたい杏可也さんかどうかまでは保証出来ませんがね」

寝台の脇に椅子を寄せてかけながら、鬼鮫はデイダラを見やった。

「・・・・そうか。うん。わかったよ」

フッと大人しく頷いて、デイダラは鬼鮫を見返した。寝台で寝返りを打った牡蠣殻に顎をしゃくる。

「鬼鮫、オメエ、コイツどうすんだ?」

「・・・何ですか、いきなり」

「いや、オイラ・・・・お、うるさかったか?悪ィな、うん」

牡蠣殻がしかめ面で起き上がった。
デイダラはまるで悪そうでなく言うと、チョイと手を上げて挨拶する。

「何だ、生きてたかよ。死んでるのかと思ったぜ。何か久し振りだなぁ。覚えてっか、牡蠣殻ァ?」

飛段も何心無い様子で無造作に声をかける。

「お久し振りです・・・お揃いで観光ですか?」

怠そうに額を叩きながら牡蠣殻は二人を見比べた。

「仕事だ仕事。オメエ半年も何処ぶらついてたんだ?磯の大将が心配してるぞ?うん?」

「波平様が?ああ、それは申し訳ない事をしました。この通り生きています。大蛇丸さんのお世話になっていました」

「へえ。また突拍子もねえ。快適だったか?」

飛段に問われて牡蠣殻は笑った。笑うと隈が薄れて少し顔色が明るくなる。

「どんな答えを期待してるんです?ええ、よくして貰いましたよ」


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