第11章 好機逸すべからず
「それが出来たらあなたに聞きゃしませんよね、イモ裾さん?」
「成る程、そりゃそうですかね、ツナカンクロウくん」
「・・・・・オメエ本当言ってスッゲエ馬鹿なんじゃん?ツナの里って何じゃん?ねんだよ、そんなモン、ネバーランド並みにねんだよ。ピーターパン並みに幻なんだよ!!何回言やわかんだよ!!ツナツナツナ、ツナアレルギーになるわ!!!」
「あぁ!?ネバーランド上等!ついて来いやウェンディ!」
「誰がウェンディじゃん!?帰宅部で家出娘でツナアレルギー!?性別まで迷子になっちまってんじゃん!?大丈夫なのかよ、俺は!?」
「ツナアレルギーは自分で言ったんじゃん」
「うるせえ!ジャンジャン言うなじゃん!何なの!?今まで俺だと思ってた俺はどこ行っちゃった!?あんまり色々言われちゃってすっかり自分を見失っちまったじゃねえか!自分探しの旅に出ろってか、俺によ!!」
「ツアー組んでやるよ」
「要らねえ、バカッ!!!!!」
「行くか?ネバーランド?」
「ねえっつってんだよ!!!」
カッカといきり立ったカンクロウが、片手を腰に当てて面白そうに言い合いを聞いていた波平から湯呑みを奪い取って、まだ熱い中身を煽った。
「あ・・・、君・・・」
止めかけて間に合わなかった波平の目の前で、慌てて湯呑みを口から離す。
「あっつッ、熱・・・ッ、何すんだ、この野郎!!!」
卓の上にガンと湯呑みを置いてひっくり返った声を上げるカンクロウに、藻裾が爆笑する。
「ダハハハハハッ、バッカ、どこのどいつに突っ込んでんだよ、オメエは!プクッ、クックッ、ダラダラとい~コンビになりそうだな、ジャンジャン?ハハハハッ」
「・・・・プ・・・ッ、あ、いや、落ち着きなさい、カンクロウくん。今のは自分が悪い」
「ちー、んなこたわかってんじゃん!」