第11章 好機逸すべからず
「すぐハウスしそうだから」
「ハウスって!?俺ァお行儀のいい犬じゃねえぞ!大体俺がうちにいるトコなんか見た事もねェくせに勝手におうち大好きにすんじゃねえ!俺の何を知ってそんなビッタビタの濡れ衣着せんじゃん!?妄想も大概にしろって話じゃん!!!」
「妄想じゃねえ。確信だ。どォせオメエ、バスローブなんか着て赤ん坊の頭みたようなブランデーグラスに梅酒のロックぶっ込んで水曜どうでしょうなんか観てる派だろ?バレバレなんだよ、お義兄様ァ!?」
「ばッ、ざけんなじゃん!!!いるけど!そういうの思いっきりいるけど!そら全ッ然俺じゃねんだよ、バカタレがァ!!!何だ、バスローブって!?そんなん着るか!!!俺ァ太陽にゃ吼えねんだよ、裕次郎でも犬でもねんだよ、このバカチビ女!!」
「おぉ!?何だ何だ、馬の癖に随分下品な口きくじゃねえかよ、サラブレット!ツナの里の貴公子はツナ缶パカパカ開けてバスローブ油染みだらけにしてりゃいんだよ、ツナ缶に味の素ぶっかけて食ってろ、太宰サクランボ!!!」
「あぁ!?訳わかんねえ事言ってんじゃねえぞ、まだツナの里言うか、聞き分けのねえ!テメエこそピザ食って心霊体験して焚き火飛び越えて自衛隊行って切腹して来い、三島筋肉バカ!!!」
「聞き苦しいぞ。止めなさい二人とも」
「何が聞き苦しいだ!そもそもアンタが月に酔うだか悪酔いだYoだか言い出すからこんなんなってんだぞ、このゆあんよゆんの中原底抜けザル!!!あれ!?中原下戸だったな!じゃあ駄目だ!よし、なら檀火宅大好きっコ、これでどうだ!?」
「・・・どうでもいいですよ。単刀直入に言って、まるっきりどうでもいい。一体何の話をしてるんです?馬鹿と馬鹿の角競り合いは人に迷惑をかけないところでやりなさい。深山に分け入ってそのまま山ン人になりなさい。それきり帰って来なくてよろしい。熊と相撲でもとって日がな一日好き勝手に騒いでなさい。はあ、煩わしい。どうだっていい。もう全然どうだっていいです。中島化け虎並みに韜晦しなさい。文豪ストレイドックス!」
「お、おう。面白いよね、アレ。ヤツガレってば芥川派」
「何だ何だ?こんだ何の話だ?何番ブースだ、ここは!」
「二日目東1B6bだァ!!!カタログ忘れんなよゴラァ!!!」
「マジでか!?」
「マジだおらァ!!!」
「止めなさい!いよいよ何の話ですか」