第1章 出逢い
「...んっ......」
「!...おい!!」
「あっ...!」
あいつの顔を覗き込むと、ゆっくり目を開けた。
「大丈夫か!?」
「私、皆さん呼んでくるね!」
千鶴は障子戸を開けたまま、すげー勢いでいなくなった。
はは...。
女はゆっくり俺の顔を見て、瞬きをした。
そして、急に顔を赤くした。......なんでだ?
「もう少ししたら、皆が来るから。お前のこと教えてくんねぇか?」
「ぇ、えっと...み、皆って...?」
こいつ怯えてるのか?少し唇、震えてる。
「新選組だよ!皆、見た目は怖ぇけど、安心しろ!いい奴ばっかだから、な?」
これ以上こいつが怖がんない様に、優しい声色で言うと、少し震えが弱まった。
頭を撫でようとして、触れたらビクッとしたけど、優しく撫ででやると、また顔を赤くして安心した様に、目を細めた。
すると、俺の手を取って、両手でギュッと握った。
何処だかわかんねぇとこ連れて来られて怖ぇんだろうな。
なんだかその仕草が可愛くて、俺は微笑んだ。
「目ぇ覚めたかぁ?」
「あっ!土方さん、皆!」
少し経ち千鶴が土方さん達を連れてきた。
皆に手繋いでるとこ見られて恥ずかしいわ...。でもこいつが安心出来てんならいっか。
「お前ら、なんで手なんか繋いでやがる?」
土方さん、そこツッコまないで欲しいわ...。恥ずかしいから......。
皆が来たことで、さっきよりも強く握られてる。
離したら可哀想だから、このままにしとこ。
「ひっ土方さん、そんなこといいから、早く終わらしてやってよ!」
「お、おう?わかった。」
そう言って、土方さんは俺の向かいに座り、あいつに話しかけた。