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薄桜鬼~ごめん、何回言っても足りない~藤堂平助

第1章 出逢い


屯所の門をくぐり、すぐに土方さんのところへ行った。


「土方さん!!今すぐ、山崎君を呼んでくれ!!」


今、幹部の皆が集まり、あいつの治療が終わるのを待ってる。


屯所に女を連れてきた。

でもあいつは怪我をしてた。
それに俺が絡んでる。

新選組は女人禁制。でも土方さんもそんな鬼じゃねぇよな...。


鬼の副長だけど...。


「で、平助。話を聞かせてもらおうか。」


皆にお茶を配ってる千鶴も、心配そうにしてる。


「その前に雪村、お前は山崎を手伝いに行ってくれ。」


「はい、わかりました。」


千鶴は嬉しそうに出て行った。きっと、あいつのこと、相当気にしていたんだろう。
それと、頼られたことが嬉しかったんだろうな。


「平助。」


土方さんは千鶴が出て行ったことを確認し、俺の名前を呼んだ。


「人通りの多い道中で、男2人が刀抜いてたんだよ。それで俺が声かけたら、1人の男が俺の方に振り向きながら、刀を振ったら、あいつに当たっちまったんだよ...。」


まだ鮮明に覚えてる、さっきのことを話して、あいつが可哀想になった。

あいつ...名前なんていうんかな?


「そうか。で、あのガキのことはなんか知ってんのか?」


「いや、まだ何も...。きっ聞ける状態じゃなかったんだよっ!!」


土方さんは腕を組み、顰めっ面をしている。




「殺しちゃいましょうよ。それが1番手っ取り早いんじゃないですか?だって屯所に連れて来ちゃったわけだし、傷を癒す間にあの事知られちゃったら、どうするんですか?」


いつもの飄々とした態度で言う総司にイラついた。
どうしてそんな簡単に殺そうなんて言えるんだよ......。


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