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薄桜鬼~ごめん、何回言っても足りない~藤堂平助

第4章 残る温かさ


あぁ、俺の周りには、こんなにあったかくて、優しくて、俺と一緒に戦ってくれる大事な仲間がいたんだ。


どんなに酷いことをしたって、俺をずっと信じてくれる、愛しい人がいたんだ。


もっと傍にいたい。

皆と笑い合って過ごしたい。


揺れる心、奮い立て、立ち上がれ。


ここで死ぬわけにはいかねぇんだ。


これからも皆の笑顔、見る為に。


お春を守り抜く為に。


身体が傷だらけになっても...。


血塗れになっても...。



...あ、やべ...。もう立ってられねぇ...。


「うっ...くっ」


糞、背中痛ぇ。地面に這いつくばって、藻掻く。


倒れても、立ち上がんなきゃ...、お春が見てるんだ。

かっこ悪ぃとこ見せらんねぇよ。


「平助!」


お春、ごめん...もう立てねぇ...。

ちゃんと立って、大丈夫だって笑ってやりてぇのに...。


新ぱっつぁんが、俺の身体を抱えてくれた。


「平助さん!」


あぁもう、泣くなよ。

涙が溢れないように、そんな顰めっ面してさ。

お前には、笑顔が似合うよ。


「お春...俺には、こんなこと言う資格もないと思うけどさ...」


俺さ...ずっと...


「お前のこと、好きだったよ...」


お春の涙が一筋流れて、俺の頬に落ちた。あったけぇ...。


「お前のこと...これからちゃんと......守ってやりたかったのにな......」


「へ、すけさん...」


「ドジっちまった...大...丈夫、心配.........すんな......よ。」


あぁ、また...約束、守れねぇのかよ...。

せっかく、お春が俺と、生きることを選んでくれたのに...。


「平助!もうしゃべんなっ!」




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