第4章 残る温かさ
「.........どういうことだよ......伊東さん!!」
伊東さん...伊東さんの死体が......。
「平助!」
「左之さん、新ぱっつぁん!?...これって...?」
意味わかんねぇ...何でこんなことに......。
「お春は、どうした?」
「平助さん!!」
「お前...なんできたんだよ!!!危ないじゃん!!」
俺、馬鹿じゃねぇ...。今、こいつが来てホッとしてる...。
こんがらがった頭がこいつ一色になって、満たされてく。
伊東さんが殺されて...新選組と御陵衛士が対立して...意味わかんねぇことが、こいつが俺の目の前にいるだけで、どうでも良くなっちまう......。
「平助さん、新選組にっ...」
どうすりゃいいんだよ...。俺だって...俺だって戻れることなら、戻りてぇよ!!
また皆と馬鹿やって過ごしてぇよ...。
お春を守りてぇよ...。
「...また、皆と一緒にいたい......。」
.........っ!
お春が、俺を後ろから抱き締めてくれた。
「...私を守ってください、平助さん......。」
お春の温かさが...優しさが...、俺を包み込んでくれる。
「左之さん、新ぱっつぁんには負けねぇぜ?俺だってまだまだ、誠、背負っててぇんだぁ!!」
言い終わると同時に、刀を抜いて走り出す。