第4章 残る温かさ
俺は新選組の屯所に連れて来られた。
「うっ...ぐぁぁぁぁっ!!」
「平助さん!!」
「お春、駄目だ!」
俺のとこに来ようとするお春を、左之さんが押さえてくれた。
......正直、今、お前が傍にいるときつい。
お前の泣き続ける顔なんて見たくねぇんだ。
あぁ、俺、死ぬのかな...?.........そうだよな、こんな怪我だし。
「私と彼の2人きりにしてくれませんか?」
「うっ、あっ......ぐわぁぁぁ!!」
山南さんが俺の前に、赤い液体が入った、ギヤマンの瓶を出した。
変若水......。
羅刹になる......。
「これを飲むと貴方は助かります。しかし、飲まないのならば、ここで死んでしまいます。......どうしますか?」
死ぬ......。
俺は...俺は.........
死にたくないっ!!
俺は、急いで、その瓶を手に取り、飲み干した。
「うっ、ぐあぁぁぁぁぁっ!!」
意識が遠のいていく......。
今、俺の頭ん中に浮かぶのは.........
お春.........。
お前だけだ。