第4章 残る温かさ
それからまた4ヶ月くらい経ったある日の夜。
「平助さん!」
この声...。
「...お春...?」
「平助さん!」
久しぶりにお春を見て、気持ちが溢れ出しちまいそうだ。
でも...
「何してんだよっ!俺達は会っちゃいけねぇんだよ!俺とお前以前に、新選組と御陵...」
「戻って来て下さいっ!!お願いします!戻って来て!新選組にっ!!」
言葉も出ねぇ...。
戻れるはずねぇじゃん、何言ってんだよ。
お春の目は必死で...。俺の着物を離すまいと必死で掴んでくる。
「おい、藤堂!行くぞ!」
「え?あ、うん!」
どこにだ...?
「お春、ごめん。俺、行かなきゃ...!」
「でもっ...!」
「...好きだよ...」
「え...?」
お春の掴む強さが弱まったところを見計らって、無理矢理ほどいた。
...あぁ、言っちまった。
今更、好きなんて...。
お前の温かさがまだ胸の中に残ってて、この想いを忘れることなんて、到底出来そうにねぇ.........