第4章 残る温かさ
お春もこのくらい辛かったのかな...?
俺が千鶴を好きだった間......。
千鶴だと思って抱こうとした時も...ずっと...ずっと...こんな風に、胸が滅茶苦茶締め付けられて辛かったのかな?
畜生、痛ぇ...痛ぇよ...。
お春、ごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめんごめん............。
やんないで後悔するより、やって後悔とか...全然違う気がすんだけど...。
絶対やんない方が後悔しなかったわ...。
あぁ、お春...お春。お春、ごめん、ありがとう............好きとか流石に言えねぇか...。
でも、好きだよ、お春。
きっと俺は、お前を好きでいることすら、許されないよな.........。
あぁ、本当...糞痛ぇ。
自分が悪い癖にな...お前の方がもっと、もっと痛ぇよな...。
「はっ一君、すんげー痛ぇよ...うっ...あぁあっ!...ぅわぁあぁぁっ!!」
「あぁ」
痛ぇ...すんげー痛ぇけど、お前の痛みも全部、俺にくれよっ!
お春、罪深い俺に罰をくれっ!
「一君っ、俺をっく、殺してくれっ!...うっく...殺してくれよっ一君っ!!!うっく...俺っ最っ低だかっく、らっ!!」
一君。一君もそんな目で...そんな哀れむ様な目で見ないでくれよ...。
「平助、それは駄目だ。お前は、生きて、その辛さに堪えて、その罪を忘れずに、必死に生きてゆかねばなるまい。お春もお前が死ぬことを望んではない筈だ。」
俺は死ぬことさえ許されない。
この辛さからも、痛みからも逃げちゃ駄目なんだ。
こんなに辛ぇのは、お前のことを本気で好きだから...。
お春、ごめんな...。こんな俺がお前を好きで.........。
一君、ありがとう。一君のお陰で、俺色んなこと気付かされた。