第57章 Epilogue-それは世界で一番の-
「新しい仲間…か。日番谷隊長にも言われたよ。今はまだ…というより…きっとこの先も、私は仲間を迎えようとは思わない。みんな私のことを気遣って言ってくれてるんだと思う…でも彼ら以外に仲間を欲しいとは思わないんだ」
「それが…お前の本当の気持ちなんだな」
「うん。ごめんねルキア、気を遣ってもらったのに…」
「気にするな。お前がそれでいいなら私はもう何も言わない。お前が自分で決めたことなのだから」
「ありがとう」
「さて…引き止めて悪かったな」
「ううん、久しぶりに話せて嬉しかった」
「日番谷隊長にもよろしく言っておいてくれ」
「そっちも恋次くんによろしく言っておいて」
二人はお互いに手を挙げて別れたのだった。
◇◆◇
午前零時を回った頃、漸く仕事を終えた梨央は疲れる体を引きずってワープのすけで新居に帰った。
「炭酸が飲みたい…」
冷蔵庫から炭酸水を取り出してリビングに向かう。
ガチャッ
「!」
「おかえり」
「…起きてたんですか?」
「眠れなかっただけだ」
本を読んでいた日番谷はソファーから立ち上がる。
「もしかして…待っててくれたんですか?」
「眠れなかっただけだって言っただろ」
決して"帰りを待ってた"とは言わない日番谷。
本当は寝ずに待っててくれたんだろうな
梨央は笑みを浮かべる。
「ありがとうございます」
「!」
「もう寝ても大丈夫ですよ?」
「お前はまだ寝ねえんだろ」
「はい。もう少し起きてます」
「なら俺も付き合う」
その優しさに梨央は微笑む。
「合格したんだってな」
「みたいですね」
「迎えに行ったらすげぇ速さで駆け寄って来て喜んでた」
「とても嬉しかったんだと思います」
「褒美は何にしたんだ?」
「それが…」
今日ルキアと話したことを日番谷にも伝えた。
「現世か。いいんじゃねえか?」
「お盆の時期に茶渡くんの試合がテレビ放送されてみんな集まる形になってるので丁度いいかなって」
「夢愛は初めての現世か」
「彼の家に寄る前にお墓参りもしたいと思ってるんです」
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