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✱でもきっとハッピーエンド✱【BLEACH】

第57章 Epilogue-それは世界で一番の-




「だから責任を感じたキミは隊長に戻るのを躊躇っているんだよね?」



「総隊長…」



「梨央ちゃんは責任感が強いから、きっと自分を責めてると思って今まで渡さなかったんだ」



「……………」



「でも、もういいんだよ」



「?」



いい、とは…?



「みんな、キミを許してる」



京楽の言葉に目を見開く。



「キミは充分すぎるほど頑張ってくれた。仲間を護るために何度も命を懸けて戦ってくれたことを彼らは知ってる。優しいキミだから彼らは最後までキミを護ろうとした。誰も…死んだのは君のせいじゃないって言うさ。ボクはむしろ、キミが幸せになることを彼らは喜んでると思うよ」



「!」



"おめでとう"



"幸せに"



「っ…………」



許してくれるだろうか



私の運命に巻き込んでしまったばかりに



彼らの運命もまた、私のせいで狂わされた



それでも あの時聞こえた祝福する声



幸せを願う、声。



私はまだ、キミ達の隊長でいてもいいんだろうか?



零番隊に戻ることを、許してくれるだろうか?



"許すよ"



彼らならそう言うな



というか、許す許さないの問題じゃない



"零番隊の隊長は私しか勤められない"



そう、言われるだろうな



「総隊長」



もう一度だけ頑張ることを許してくれ



この"零"に誓って、キミ達の生きた証を守るから



「その話、謹んでお受け致します」



梨央は羽織を抱きしめて立ち上がり、京楽に深々と頭を下げた。



「そうか!よかった!」



京楽は嬉しそうに声を弾ませる。



「浮竹もきっと喜んでる」



「はい」



梨央は柔らかな笑みを浮かべた。



「おっと、忘れるところだった…はい、結婚の御祝い!」



京楽は袂から封筒を取り出し、梨央に手渡す。



ずっしりと紙幣の重みを感じるほど分厚い封筒だった。



「こ、こんなに頂けません!」



「まぁまぁ、ボクと浮竹からだと思って受け取ってよ!」



そう言うと、ひらひらと手を振り去っていく。



「…あっ」



封筒を返そうと手を伸ばしたが、一瞬早く、京楽は瞬歩で消えてしまった。



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