第55章 Blessing-これからの未来-
「隊長!お待たせしました!」
面会を終えた梨央は日番谷が待つ場所へと辿り着く。
「流祇流の面会はどうだった?」
「報告したら"おめでとう"と言ってくれました」
「そうか」
「さて行きましょう隊長」
「まずは七番区だったか」
「待ち時間が長いので少し退屈かもしれませんね」
「なら七番隊舎に行くか?」
「七番隊ですか?」
「噂の人狼族の幼い兄弟がいるかもしれないぞ」
「わ!行きたいです!」
「なら先に受付番号札を貰ってこよう」
「はい!」
嬉しそうに笑う梨央を見て日番谷も嬉しそうに笑った。
二人は肩を並べて歩き出すと七番区に向かって歩き始めた。
人別録管理局で受付番号札を貰った梨央と日番谷は長い待ち時間を利用し、管理局にほど近い七番隊舎を訪れ、ちょうどその路地で二人と鉢合わせた。
「こ、この子達は噂の…!」
霊術院に通っている人狼族の幼い兄弟が激カワであるという噂は、カワイイもの好きの女性隊士の間では有名だった。
「すっげ────!!隊長がお二人も!!」
ショウマが目をキラキラさせて二人を見上げる。
「テツさーん!日番谷隊長と……えーと?」
彼女が隊長であることは知っているが、実際には何処の隊の隊長をしているのか分からないショウマは困ったように梨央を見る。
「あ…えっと…」
零番隊に復帰したわけじゃないし
隊長には違いないけど
どう名乗ったら…
「もう隊長じゃないんだ」
「そうなの?」
「今は十番隊士なの」
自分が零番隊と名乗れないことを悲しく思えた。
「もしかして…零番隊の隊長さん?」
「!」
「え!?おねえさん零番隊の隊長さんなの!?」
「零番隊を知ってるの?」
「うん!テツさんや左陣様が零番隊っていう最強の部隊があるんだって教えてくれた!」
「そうだったんだ」
「ねえねえ!
今度零番隊舎に遊びに行ってもいい?」
子供らしい眼差しを向けられ戸惑う。
返答に困っていると背中を優しくぽん、と叩かれた。
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