第51章 Historia-そして物語は完結する。-
「そうだな。けど…死神だったから俺達は出逢えた」
「隊長」
「今度は何だ」
「最初の出会いとか…もう気にしないで下さいね」
「!」
「私に酷いことを言ったとか…そんなの気にしてませんから。だから隊長も未来に向かって歩いて下さい」
「けど傷付いたのは事実だろ」
「そうですが…今はすごーく幸せなんです」
「抱きしめてるからか?」
「それもありますけど…あなたに愛されて私は世界一の幸せ者です」
この人を愛せて
この人に愛されて
本当に幸せだった
「梨央」
「はい」
「正直に言うとお前と離れるのは寂しい」
「私もです」
「けどお前は覚悟を決めたんだろ?」
「多少の心残りはありますが…覚悟はとっくの昔にしてます」
「だったら俺も覚悟を決めねえとな」
「隊長…」
「俺がこの先誰かを好きになることはない。
お前だけを愛し続けると誓う」
「なんか…プロポーズみたいですね」
前に同じやりとりをしたのを思い出した
あの時の隊長はとても恥ずかしがっていた
だから今回も同じ反応だと思った
「プロポーズ…そうかもな」
「!?」
「これはプロポーズだ」
真剣な眼差しで梨央を見る。
「お前を生涯愛すると誓う。お前だけに想いを伝え続ける。だからお前も…俺に誓ってくれ」
証が欲しいのだ
どんなことでもいい
二人が繋がっているという
愛の証が
「私は日番谷隊長だけを愛し続けます。
生涯、共に在りたいと思うのは隊長だけです」
梨央は涙を浮かべて嬉しそうに笑う。
「誓いの言葉だけで悪い。
何も…用意できてなくて…」
「いいえ。誓い合っただけでも充分に幸せです」
こんなに嬉しいと思ったことはない
「あ、」
「どうしました?」
「もう一つ…ある」
「え?」
「誓いのキス」
「!!」
嬉しさが瞬時に恥ずかしさに変わる。
「っ〜〜〜///」
顔を赤くしたのを見て日番谷は可笑しそうに笑う。
「な、なんで笑うんですかっ」
「いや?照れた顔も可愛いなと思っただけだ」
「!!?」
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