第49章 Divortium-君のための嘘-
「全部…嘘。ねぇ…あたしをからかって楽しかった?優しい言葉をかけて心の中で本当は笑ってたんでしょ?…だから信用できないのよ」
「………………」
「やっぱり…あんたなんか大嫌いよ」
ユーゴーに裏切られた詩調の心はズタボロに壊された。それでもユーゴーは本音を言わない。
「裏切り者」
怒りと憎しみで顔を歪ませる詩調。
その時…
「ぉおおおおおおおおおおおッ!!!!!」
バズビーが怒りを爆発させた。
「くたばれユーハバッハ!!!」
弓を構えてユーハバッハに向けて矢を放つ。
だがその矢はユーハバッハの側にいるユーゴーの手で防がれてしまった。
◇◆◇
【真世界城】
「…もうやめろバズビー。我々が戦っても何一つ陛下に利する事は無い」
ハッシュヴァルトに斬られたバズビーは大量の血を流して地面に蹲る。吐血し、荒い呼吸でハッシュヴァルトを見た。
「陛下に利する事は無えだと…?当たりめーだ…俺は…その陛下を殺しに来てんだぜ…!…バーナー…フィンガー…4!!!」
手に炎を纏わせてハッシュヴァルトに向かって走り出す。
「やめろと言っているんだ…バザード・ブラック!!!」
剣を振るが、上に飛んだバズビーに躱される。
「どうした!来いよ!!また勝負から逃げんのかよ!!そんなに俺に敗けるのが恐ェかよ!?ユーゴー!!!」
お前がユーハバッハの下に消えて3年
3年かけて
俺は星十字騎士団への入隊を果たした時
お前は星十字騎士団の団長になっていた
その頃
お前に裏切られた詩調も
あれから更に心を閉ざすようになって
人との繋がりを完全に拒絶した
だが、ある女との出会いがきっかけで
死神になることを決意し
難関と云われた入隊試験に合格
最強戦闘部隊と云われた
零番隊への配属が決まったらしい
何であいつが死神の道を選んだのか
それはきっと…
お前の背中を追う為だったんだろうな
裏切られたお前を見返したくて
あいつは必死に努力したんだろう
“死神”と“滅却師”は敵対する関係
選んだ道は違えど
必ず再会することになると思った
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