第49章 Divortium-君のための嘘-
だがユーゴーの表情を見たバズビーは…
「何だよそのカオ!言い返せよ。
俺がワルモノみてーになんだろうが!」
「…そうだね。ぼくはまだ、きみみたいに神聖弓(ハイリッヒ・ボーゲン)も作れないし…ショボイ奴だよ」
「バッカやろユーゴー!そんなことねーって!これは俺が天才だからできんだって!オマエ言うほどショボくねーって!大丈夫大丈夫!」
「最初にショボイって言ったのきみなんだけど…」
「こんなモン俺らぐらいの歳の連中みんな作れてねーから!オメーの友達見てもそうだろ!?」
「さあ…あんまりそういうの見ないからわかんない…。それと“ユーゴー”って呼び方もやめてくれるかな。きらいなんだ」
「なんでだよ。じゃあ親とか何て呼んでんだよ」
「親はいない。叔父さんと暮らしてる」
「じゃあその叔父さんは何て呼んでんだよ!」
「何だっていいだろ。そんなのきみに教える必要ない。もう行ってよ、ぼく今日ウサギ獲って帰らないといけないから…」
ボスッ
バズビーは先ほど仕留めた兎をユーゴーに投げつける。
「いった…なにす…」
「やる」
「え……」
「俺べつに食うために狩りしてる訳じゃねーから。俺が天才なの、見せつけるために狩りしてるだけだから」
バズビーはマントに付いてる“B”のマークが描かれたバッジをユーゴーに投げる。
「ユーゴー、お前今日から俺の子分な。大人に何言われても気にすんな。わかんねえことは全部俺が教えてやる。最強の滅却師になろうぜ、ユーゴー」
ヘルメットを被り、バズビーは去って行った。
「──真世界城だとか言ってやがったな…ここは銀架城じゃねえのか。いつの間に城の名前まで変わった?」
その問答にハッシュヴァルトは答えない。
「“そんなのきみに教える必要ない”ってか?オメーの口癖だったもんな」
「外へ出ろ。これ以上ここで戦えば城が痛む」
「はっ、バーナーフィンガー3!!」
ハッシュヴァルトは剣を構えた。
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