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✱でもきっとハッピーエンド✱【BLEACH】

第1章 仕組まれた罠




「大変だったんじゃない?」



「こんなの朝飯前よ!」



「朝飯はさっき食ったろ」



「食べたよ!大盛り3杯!」



「威張って言うな食い過ぎだ」



「育ち盛りだからね!」



「育ち過ぎだ。どんだけ食えばお前の腹は満足するんだよ」



「この世の食べ物を食い尽くすまでだよ!」



「末恐ろしいなお前の腹は」



「それほどでも〜」



「褒めてねえわ」



何故か恥ずかしそうにする霙を“蒼ちゃん”と呼ばれる少年がツッコむ。



名は───高峰 蒼生。



少女の双子の兄である。



男女の二卵性のせいか、顔はあまり似ておらず、性格も雰囲気も異なる。少女が髪を短くすると蒼生に瓜二つなのだ。



「すごいよ鬼灯さん」



「えっへん!」



「魂の定着はどうやったの?」



「企業秘密でーす☆」



「本当は電池とかで動いてるんじゃね?」



「失礼な!霙は天才なんだからそんなセコイことしないよ!蒼ちゃんのバカ!」



「名前は決めたの?」



「うん!」



「ウサ吉か」



「ダッサ!違う!」



「じゃあウサ公」



「“ウサ”しか合ってないし!蒼ちゃんてほんとネーミングセンスないよね!」



「あ″?」



「二人ともそこまで」



言い合いを始める二人を両手を叩いて制止させたのは雅だ。彼は落ち着いた口調で二人に言う。



「だってみっくん…」



雅に叱られてシュンッと落ち込む霙。



「その子が怯えてるよ」



いつのまにか足元に来ていた兎の人形を見下ろす。



「ごめんね、“リキュール”!」



霙はリキュールを抱き上げる。



「酒の名前じゃねえか」



「いいの!この子はリキュール!」



「私はいいと思うよ」



少女は霙の腕の中にいるリキュールを見る。



「ようこそ、リキュール」



優しく笑み、頭に手を置く。



「私達はキミを歓迎する」



リキュールは嬉しそうに目を輝かせる。



「与えられた真名は大事にしたまえ。この世に生を受け、運命を授けられたことを意味するとても貴重なものだからね」



そして最後にこう告げた。



「どうかキミの運命は何事にも囚われず自由であれ」



切なそうに瞳が揺れた。


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