第45章 Neglecti-気づかないふり-
「質問すれば何でも答えてもらえると思ったら大間違いだヨ。少しは自分で考え給えヨ。その身長と同じ小さい頭でネ」
「何だと!?」
「だが…特別に答えてやらんでもない」
「!」
「これはザエルアポロの保管庫から奪ってきたんだヨ」
「…ザエルアポロ?」
「判らないなら最初から聞くんじゃないヨ」
「お前…いちいちムカつくんだよ!
なんだその横柄な態度は!」
千歳は今にでも自身の斧で涅を叩き潰そうな勢いだ。
「なるほどね────ッ。そっちはそっちでゾンビってコトね。で、だから?そのたった4体のゾンビでボクのゾンビーズに勝てるつもり?」
「勝てないと言われてる様だがどうかネ?」
「言ってくれるじゃないかお嬢ちゃん(ニーニャ)!!」
「あたし達が死神に」
「負けるワケないだろ!!」
「ま…待て!!」
「ここにいる大半は十一番隊の連中で…」
「「だから何かネ?/だから何だ?」」
声が重なり、お互いを睨む。
「あたしが喋ってるんだ。黙れ」
「それは此方の科白だよ。私の許可無しに発言するんじゃないヨ。空気の読めない所はあの小娘そっくりだネ」
「何で発言するのにお前の許可がいるんだ。
破壊(こわ)すぞ」
「やれやれ…血の気の多い小娘だネ。
すぐキレるとは…正直引くヨ」
「お前が怒らせてるんだろ!!」
いがみ合う二人の間にピリピリとした空気が流れる。
「さっき…」
「「!!」」
「“ここにいる大半は十一番隊の連中”だと言ったネ。そんな事を述べるとは鬼の十一番隊らしくも無い。そしてこの状況で隊士を救えとは護廷十三隊らしくも無い。隊士須く護廷に死すべし。護廷に害すれば自ら死すべし。君らの尊敬する前総隊長殿の言葉だヨ」
破面達の攻撃でゾンビ化した隊士達は次々と倒される。
「さっきから小マメによけてるけどさ、こいつらの血はよける必要ないよ。さっきそこのハゲがゾンビの血をかぶってたけどゾンビ化してないみたいだし」
「まっ、そもそも死体のあたし達がゾンビになる血をかぶったからってどうなるもんだとも思えないけど…ねっ!」
「成程、得心した!
ならば心置き無く戦えるというもの!」
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