第45章 Neglecti-気づかないふり-
《だがその絶大な防御力ゆえお前の突破した七十二層の障壁はその後6000秒の間閉ざす事ができぬ!》
《礼を言うぞ黒崎一護!》
《お前のお陰で私はあの少女を殺す事ができるのだからな!!》
ダンッと地を蹴り、ユーハバッハの元に向かおうとする一護を全員で襲う。
ミニーの怪力は凄まじく、一護の頭を掴んだまま壁にぶつけると並んでいる建物も破壊された。
「これだけ囲まれて陛下を追えると思うなんて…考えが甘いですぅ」
伏せた一護の真上から剣を構えた男が落ちてくる。
「死ね!」
だが一護は寸前で回避した。
「ミニーニャ嬢に殴られて目眩の一つも起こさないとは…頑丈な人だ」
ピタッ
「!」
米神に銃が押し付けられる。
ガン!
発砲と同時に頭をズラして弾丸を躱し刀を振る一護。
だが襟元を誰かに掴まれ振り返ると人差し指を構えたバズビーが不敵に笑っていた。
「バーナーフィンガー1」
「(くそッ──!)」
絶体絶命のピンチに陥る一護。
すると鞭のような細いものが二人の間を突き抜ける。
一護は危うく首が吹っ飛ぶところだった。
「おう!危ねえ危ねえ!
ギリギリ助かったなァ!一護!」
「俺の首がな!!!」
そこに現れたのは恋次だった。
「ゴチャゴチャ言うなよ。
あたんなかっただけだろ」
そして恋次は真剣な口調で言う。
「行けよ、こいつらは通さねえ。詳しい事ァ知らねえが滅却師の親玉と因縁があんだろ?それに…梨央を殺すとか言ってやがった。そんなことさせるかよ。アイツは俺達の大事な仲間だ。あんな奴に梨央を殺させてたまるかよ」
「そうなる前に俺が止める」
「任せたぜ。アイツは無茶ばかりするからな。
一人で突っ走って大怪我でもされたら困る」
「高峰が悲しむしな」
「日番谷隊長もだ」
「違いねえ」
二人は小さく笑い合う。
「譲ってやるよ。お前えの仕事だ。
絶対に梨央を護れ」
「ああ」
恋次の言葉を受けて一護はユーハバッハを追う。だがそれを阻止するようにして滅却師達も立ち塞がる。
「!!」
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