第45章 Neglecti-気づかないふり-
「はぁーい、ちぇっ」
ジジは転がってる死体から肉体を奪うとそれをキャンディの左腕の修復に当てた。
「…よし、いい出来じゃんか」
「落ち着けよビッチ。
そんな逸ってちゃ勝てるケンカも勝てねーぞ」
「うるせえ!!行くぞ一護ォ!!!ブッ殺してやら…」
ドッ
「!」
一筋の光線がキャンディの身体を貫いた。
「何…」
続いて他の三人も同じように光線で身体を貫かれる。
「…悪りーな。ちょっと死んでてくれ」
「バズビー…てめえ…」
「恨み言言われるスジぁ無えぞ。手柄ってのは奪い合いで、奪うってのは後から来た奴の特権だぞ。なァ、そう思うだろ?黒崎一護」
問われた一護は何も答えずバズビーを見上げる。
「何だよォ!言われてみりゃ確かにそうだ!
もうちょい後に来りゃよかったぜ」
「到着してしまったものは仕方あるまい。4人同時に来たからには───4人で山分けといこうじゃないか」
「ゲッゲッゲッゲ」
「4人じゃねーよ。8人だ」
バズビーの攻撃でやられた4人もどうにか立ち上がる。
「バーナーフィンガー1発ずつでオレらの足を止められるかよ」
「ちっ」
リルリットの言葉にバズビーは舌打ちをした。
「山分けだとかヌリいこといってんなよ。
手柄は1つ。殺した奴が総取りといこうぜ」
カンッ
その瞬間、一護の後ろで一筋の光が出現した。
「何だ…あの光は…!?」
◇◆◇
「行くぞ、全ての息子達よ。
私と共にあれ」
◇◆◇
《───黒崎一護。》
「!」
《私の声が届いているだろう。》
《黒崎一護、我らを光の下へと導きし者よ。》
《感謝しよう。》
「…どういう意味だ」
《お前のお陰で私は霊王宮へと攻め入る事ができる。》
「!?」
《お前が今まとっているその衣は『王鍵』と呼ばれる零番隊の骨と髪で編み込まれている。》
《霊王宮と瀞霊廷との間に存在する七十二層に渡る障壁を強制的に突破させる為、そして何よりその際の摩擦からお前自身を守る為にそれ以外の素材では創り得なかったのだ。》
《素晴らしい耐性。素晴らしい防御能力だ。死神が手にできるものの中でそれに勝る衣は無いだろう。》
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