第45章 Neglecti-気づかないふり-
「ようやく喋れるようになったね!ここへ来た当初は霊子が濃すぎて息もできず身動きもとれず床に蹲るばかりだったキミ達が、いやあ大した進歩だ立派立派!どうかな、そろそろ奥の間で私と修行しない?」
「「ああ!!!」」
「良い返事。じゃあ改めて…」
梨央は両手をバッと広げて笑う。
「ようこそ!我が『常闇殿』へ!!
私はキミ達を歓迎する!!」
◇◆◇
《しゃーからァー命令してへんやろ!!》
《やって下さいってアタマ下げてお願いしてんねやないかい!!》
「どこがアタマ下げてんねん!!電話越しでもわかるわぜったいアタマ下げてへん!!!」
《とにかく任せたからな!
やり遂げられるのはお前しかいないのだ!!》
《どや!?この選ばれし者感!!
たまらんやろ!!ほななー!!》
「あっ、待てやコラ切んな!!」
「ひよ里サーン。
尸魂界から小包が届きまシター」
「Σ早!!ていうか郵便とか届けられるんかい!!」
「差出人は連名です。“平子真子”と“涅マユリ”、それと“仁科梨央”────……」
その名前にひよ里は…
「あーもーやったらええんやろクソが!!!『現世と尸魂界との間のクソめんどい世界のひずみ直し隊』結成や!!」
「“結成”って…」
「俺らもやんの?」
「あたり前やろボケェ!!!」
◇◆◇
その頃、尸魂界で異変が起こった。
突然、景色が変わり始めたのだ。
「何だ…何が起きた…!?」
「何だこの景色は…!?」
◇◆◇
【十二番隊舎】
「計器が全て異常を示してる!!」
「何が起きたんだ!!」
「信じられん…こんな…こんな事があるかよ…!!瀞霊廷が…消えた…!!!」
◇◆◇
「────侵攻、完了だ」
ユーハバッハは呟いた。
「雨竜、お前は『聖帝頌歌(カイザー・ゲザング)』を知っているか」
「はい。封じられし滅却師の王は900年を経て鼓動を取り戻し、90年を経て理知を取り戻し、9年を経て力を取り戻す」
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