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✱でもきっとハッピーエンド✱【BLEACH】

第44章 Rex-斬月の秘密-




『罪禍』に収監されていた少女は


両手に特殊な手錠を付けられ



百年という永き時間を



狭い檻の中で過ごしていた───。



「貴様に手紙だ」



「手紙?」



監視役の男は分厚い茶封筒を梨央に渡す。



裏面を見ると…



【志波 一心】─────。



差出人の欄にそう書かれていた。



「志波隊長から…?」



十番隊隊長 志波一心。



仕事に対しては不真面目だが



楽天的な人柄故、部下達からの信頼は厚い。



現在彼は鳴木市という中規模都市で起きた事件を



調べているはずだが…



「(嫌な予感がする…)」



手紙を読み進める。



「!?」



梨央は衝撃を受けたように驚愕し、言葉を失う。



「………………」



“死神の力を失った”



その言葉の真意を理解するのに時間がかかった。



「隊長が…死神の力を…?」



状況が上手く吞み込めず、唖然とする。



両手で手紙を握りしめて更に文章を読んだ。



そこには一人の人間を助けたことで



死神の力を失ったと書かれている。



「人間…?」



ただの人間の為に



どうしてそこまで…



「!」



だが次の瞬間、梨央は憎しみと怒りで顔を歪め、ギリッと歯を噛み締めた。



「滅却師…!!」



彼が助けたのは



なんと滅却師だった。



「あの憎き滅却師を助けたのか…あの人は…!!」



脳裏を過ったのは…かつて自分達の母を殺した男の顔だった。



滅却師の始祖である男は



罪禍の持つ力を欲しがり



無理やり奪って殺した─────。



その男と同じ血が流れている少女を



一心は助けたのだ──────。



「滅却師如きの為に…あの人は死神であり続けることを断念した…あの男と同じ血が流れた少女なんかの為に…」



彼女を助けて



何のメリットがあるというんだ



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