第43章 Around-宮殿巡り-
「そいつらはお前らにこう思ってる、根本が違うって事だ。“斬魄刀と死神どっちが上か”そこから語り合おうぜ」
そして───……
「71時間48分…三日三晩。ま、お前らの実力ならそれぐらいかかるか。俺達なら一日もかかんねえがな。…合格だ、阿散井恋次。そして…お前は不合格だ、黒崎一護」
「…ま…待ってくれ…まだ…」
「待たねえよ。
不合格っつったら不合格なんだよ」
「俺は…まだやれるんだ…!やらせてくれ…時間切れってワケじゃねえんだろ…!」
「時間切れじゃねえよ、“気持ち切れ”。やるとかやらないとかそういう話してねえんだよ。お前は“浅打”に選ばれなかった、それだけ。だからムリ、おしまいだ、残念だったな」
「待っ…」
「見苦しいんだよ。実力不足で負けたんだからいつまでも喚くな。ハッキリ言って見込みねえんだよ。この三日で確実に解ったのは阿散井は死神でお前は死神じゃねえってことだ。安心しろ、ここから直で帰してやるよ。だからお前は家に帰れ」
「!」
「え…」
「引っ張り出せ」
「リョーカイ☆」
「ま…待ってくれ!ウソだろ!!オイ!!」
「あーそうそう、尸魂界にも二度と立ち入るなよ。尸魂界は死神の地、斬魄刀も持たないタダの人間に立ち入る資格なんてねえからな」
「バカ野郎…ここまで来て…帰れって言われて素直に帰ると思ってんのかよ…俺が今帰ったら斬月はどうなるんだよ」
「知るかよそんなの。つーか帰っても帰らなくても一緒だ。斬月は治らない。いや、治さない」
「……………」
「俺はな、お前みたいな人間が大嫌いなんだよ。使えねえ死神どころか偽死神の手伝いなんてするだけ無駄だろ。梨央には俺から言っといてやるから心配しねえで現世に帰れよ。尸魂界を救ったからって英雄気取りは見当違いだぜ。この死神もどきが。」
「てめえ!!!」
大きな手が一護の体を掴むと真っ暗な渦の中に連れ去った。
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