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✱でもきっとハッピーエンド✱【BLEACH】

第43章 Around-宮殿巡り-




「オレ達は…一護クンのような家族にはなれなかった。母親の執拗な愛に苦しんだ者、両親と離れ離れになった者、家族に裏切られた者、母親を殺された者…。零番隊はそんな心の傷を抱えてる人達で結成されてるんス」



「母親を殺された…?」



「そっか…梨央チャンは何も話してないんスね」



琉生はしばらく悩んだ後、一護に打ち明ける。



「お母さんを殺されてるんスよ」



「!?」



「まだ二人が子供の頃だったって聞いてるっス」



「二人…?」



「あれ、これも知らない?うちの副隊長と梨央チャンは双子なんスよ。二卵性だから瓜二つには見えねえかもしれないけど」



「副隊長って…あの銀髪っぽい無愛想な奴か?」



「そうそう。その無愛想な奴っス」



琉生は可笑しそうに笑う。



「(言われてみれば目の色が同じだったな…)」



「因みに梨央チャンが髪を帽子の中に入れて眉間を寄せればまんま蒼生クンっスよ」



「確かにあいつが帽子被ってるとこ見たことねえな」



「まぁ、梨央チャンが髪を短くすれば蒼生クンと見間違えられるかもしれないスね」



“話が逸れたっスね”と言い、琉生は苦笑する。



「お母さんが亡くなって梨央チャンは人が変わったように荒れたらしいっス。でも蒼生クンが傍で支え続けたおかげで立ち直れた」



一護は琉生の話を聞き、“ある出来事”を思い返していた。それは虚圏でウルキオラとの交戦中、虚化が暴走してしまった際、意識だけが別の空間に飛ばされてしまった時のことだ。



『其処にいたら駄目───!!』



「(“あいつ”の声に止められて、それ以上『其処』にいることが出来なかった。)」



眉を顰める一護は悶々と考え始める。



「(あの屋敷で何かが起こったのは確かだ。ただ…未だに俺は『それ』の先を見ることが出来ない。コイツなら何か知ってるのか…?)」



踏み込んではいけないと分かっているのに、一護は知りたいと思ってしまった。



「あいつの過去に何があったのか、お前は知ってるか?」



「…んー、そうっスねぇ…。あんまり詳しくは知らないけど…梨央チャンと蒼生クンの生まれた里が千年前、滅却師の襲撃にあった…って事ぐらいしか分からないっス」



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