• テキストサイズ

✱でもきっとハッピーエンド✱【BLEACH】

第42章 Tandem-最期の言葉-




屋敷の外では今も激しい交戦が繰り広げられている。防御壁を自分達の前に展開し、向かって来る複数の矢を全て跳ね返す。



『夕凪家の防御力は天下一品ですのよ。矢如きに破られてたまるもんですか』



跳ね返された矢は進行を変え、ユーハバッハの元へと返っていく。だが本人を避けるように横をすり抜け、近くの木々や地面に突き刺さる。



『中々しぶといわね』



『攻撃も未だ当たらず…悔しいですわ』



『………………』



罪禍は訝しげにユーハバッハを睨む。



『どうにかして屋敷から離したいわね』



『子供達が心配ですわ』



『(この状況のせいで二人の霊圧が感知し難い…。あの子達は無事に会えただろうか。)』



『余り時間稼ぎは出来ませんわよ』



『そろそろ終わりにしないと』



『あぁ…そうだな』



三人はユーハバッハを見る。緊迫した空気が流れ、ユーハバッハも警戒心を張り巡らせる。



お互いに視線を外さず、ただじっと見つめ合う。“外したら敗ける”…それを知っているからだ。



そして──……



シュン!



『!!』



ユーハバッハの視界から一瞬にして三人の姿が消えた。



『(ほぅ…速度が上がったか。)』



周囲に目配せをし、三人の気配を探る。



『!』



ガキィン!!



背後に現れた円香が剣を振り下ろす。だが同時にユーハバッハも振り向き様に剣を振るい、彼女の一撃を防ぎ止める。



『褒めてやろう。正面から斬り掛かっていたら私の剣の方が先に貴様を斬っていた』



『だから命拾いでもしたと言いたいんですの?本当に…ナメられたものですわね!!』



『!!』



次の瞬間、横合いから鋭い刃が飛んでくる。首を狙うように死角をついてきた刃に驚くが…



『ク……ッ』



防いでいる剣を弾き返し、千咲の振るった剣を首元に当たる寸前で身体を後ろに傾け、そのまま後方に飛んで回避した。



『“やっぱり後ろに飛んだ”わね?』



『ここまでは想定済みですわ!』



『何…!?』



二人が笑った瞬間、ユーハバッハの身体に威圧感が重くのしかかる。この時初めてユーハバッハの顔色に焦りの色が垣間見えた。



空を見上げると…剣を構えた罪禍が勢いをつけて落下してくる。



.
/ 900ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp