第38章 Oretis-償いの咎-
ガシュンッ
「何だ!?
“空が折り畳まれてる”───……!?」
「くそッ雪緒の奴ここを観てるんだ…!あんた!早くあたしを殺すんだ!!どっちかの霊圧が消えて決着がつけば自動的にこの空間は開く筈だ!!殺せ!!!」
「ダメだ」
「どうして!!!」
「女に手をかける男は屑だ。屑になって生き延びるのは死んだも同然なんだよ」
恋次はジャッキーの腕を取り支える。
「脱出するぞ、力尽くで」
「…ガキみたいな理屈だねえ…」
「!」
「あたしを助けてくれたのがあんたみたいな奴なら良かったのに」
ジャッキーは深い笑みを浮かべた。
「…お前───……」
◇◆◇
「あーあ、死んじゃった」
モニターを見ながら雪緒は呟く。
「敵を助けて死ぬなんてアツいなあ。まあ、あれじゃ敵も助かったかどうかわかんないけど」
ドォン!!
凍り付けにされた扉が破壊され、日番谷が現れる。
「あ、おつかれ───」
焦ることもなく、友達と挨拶を交わす感覚で言葉をかけた。
「やっと来てくれたねー。もう見つけてくんないのかと思ってたよ。やっぱりトラップ増やしたからパワーアップできて見つけられたのかな?」
その問いかけに日番谷は答えない。
「息一つ乱してないんだねー。
かわいげないなあ」
「…よく喋る奴だ」
日番谷は刀を振る。
「…乱暴だなあ」
雪緒は完現術で日番谷の攻撃を防いだ。
「隣の部屋に爆弾でも置いてたらどうするの。
君も僕もフッ飛んじゃうよ?」
「見てなかったのか?俺の氷輪丸は氷の刀だ。
その時は爆発ごと凍らせてやるさ」
「氷の刀だって。
か────っこい」
「お喋りに付き合うつもりは無えぞ」
「こっちだって付き合わせてるつもりは無いよ」
すると破壊された壁が直っていく。
「…壊れた壁も部屋も無かったことにできるのか。便利な能力だ」
「見てなかったの?この空間全てが僕の能力だよ。この空間では僕は神なんだ」
「成程」
「わかってないでしょ?
神ってことは何だってできるんだよ。例えば、」
雪緒は腕に装着されたボタンを操る。
「こんな事もね」
凶暴なモンスターが現れた。
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