第37章 Sors-定められた運命-

「私は二人に思い出してほしかっただけ」



これで二人は戦線離脱



よかった



これ以上 傷付かずに済む



「銀城!!」



「！」



「何と！やはり!!狡いじゃありませんか！銀城さんだけ一護さんの能力を手に入れるなんて！」



「ちょっとギリコ…！」



「そうだよ！
みんなで分けるって約束だったろ！」



「ちょっ…ちょっと待ってよあんたたち！
あたし別に一護の能力なんかいら───」



「───ちっ…うるっせえなぁ…」



剣を引き抜いた銀城はリルカ達を斬った。



「言われなくてもてめえら全員に一護の能力は分けてやるよ」



一護から奪った力が４人の体から溢れ出る。



「おお…おおお…！」



「アハッ！これかあ！」



「…フン」



「ちょっと…や…」



「これはッ…素晴らしい、これがッ…これが一護さんの完現術の力…!!まるで身体の内から若さが溢れ出てくるようだ…!!」



「感想が完全にジイさんだよギリコ」



雪緒は呆れ返るようにギリコに言った。



彼の完現術の力を吸収して



明らかに強さが増した



「チッ…厄介だな」



舌打ちをして顔をしかめる。



「獅子河原くんには分けてあげないの？
仲間はずれは良くないよ」



「…あいつの能力は強化すると面倒そうだ。
この戦いが終わったら殺しておけよ」



「…ちぇっ、面白い能力だと思ったんだけどなあ」



その表情はどこか悲しみに染まっている。



「さあっ!!いきますよ一護さん!!私達が貴男に与えた力の素晴らしさを貴男はその身を以て知りなさい!!」



「おーおー、調子に乗りやがっ…」



「…あいつらの力が昇がったのは俺の責任だ。
俺が行く」



「んン？」



斑目を制して一護は地面に降り立つ。



「…オイ、どういうことですか？
まさか貴男一人で我々全員と────」



ギリコの言葉を無視して刀を頭上高くまで持ち上げた一護は、そのままギリコ達に向けて振り下ろした。



あまりの凄まじさに４人は吹っ飛び、地面に倒れ込む。



「…加減はした。
死んじゃいねえ筈だ」



《はぁ────っ!?》



《“死んじゃいねえ筈だ”って!?
何カッコつけてるのさ、ウケる！》



.