第31章 ホウギョク ト ヒミツ
その頃、藍染の手から逃れるようにたつきとケイゴは水色達と合流するべく待ち合わせ場所に向かって走っていた。
「水色!本匠!」
「え?何?起きてたの二人とも?」
「ケータイの充電が切れたんだってよ」
「ごめん、でももう大丈夫だよ。
コンビニで充電器盗ってきたし」
「盗って…ってあんたねぇ」
「メンドウクサイこと言わないでよ。緊急事態だし店員さんだって起きてくんないんだし」
「当面の食料も用意しといたよ。ほらっ、あ〜ビーフジャーキーとかもあるから塩気が欲しくなったらそっち食べて」
「あんたの食生活がしのばれるわ。
あんた、こういうのばっか食べてそうだもんね」
「え?
僕、中学入ってからは手料理しか食べてないよ」
「え?でもあんたの家って…」
「親のじゃないよ。ちゃんと探せば料理上手い女の子なんてどこにでも居るんだから」
「…そっか、小島ってこういう奴だったっけ…」
「そーなんだよ!久々に聞くとイラッとすんだろォ!?捜さなきゃ良かったって思うよなッ!?」
「思わないわよ、手ェ離せ」
ベタベタ触るケイゴを引き離す。
「…で、状況は?」
「ケイゴからは大体ね。とりあえず一番重要なのはヤバそうなのに命狙われてるってこと。だからホイ、人数分のスタンガン」
「それはどっから持ってきたのよ。ムリだって、そんなもん効く相手じゃないんだから。そいつが近付くだけでこっちは動かなくなるし」
「そんなチートな奴なんだ。
人間じゃないね、じゃあコレは置いてこ」
そんな三人の会話を千鶴は放心した様子で見ている。
「?どうしたの千鶴、ボーッとしちゃって」
「…そ…そりゃボーッともするわよ!!放心してんの!!ハナシが全然つかめないの!!なんであんた達ソク順応してんのよ!!あたしが知らないこと何か隠してんでしょ!説明してよ!!」
「…それは…」
ズッ
オオオ
「…き…きた…っ」
「な…何!?何が来たの!?」
「あたしも説明できるほど解ってないの!
いいから立って!逃げるよ!!」
「あ…あとでちゃんと説明してよね!
わかんなくていいからさ!!」
水色は瓶を手に持つ。
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