第28章 ザンゾウ ト カタワレ
「…イヤだってんだ…!
…こんな…こんな勝ち方があるかよ!!!」
「──ちっ…最後まで思い通りにならん奴だ…」
そう言ってウルキオラは梨央に視線を向ける。
「貴様の予言通りだな」
「“敗北者”か…」
「貴様の勝ちだ」
「キミは従う相手を間違えたな。
残念だよ…ウルキオラ」
「…やはり貴様は好かん」
「光栄だよ」
「この男を消した後で貴様も殺すつもりだったんだがな…まったく思い通りにならん」
「思い通りにならないのが人生だ。
そして悪いがその勝負は私が勝っていた」
「…そうか」
そしてその目は────織姫に向けられた。
「…ようやくお前達に少し興味が出てきたところだったんだがな」
手を伸ばす。
「…俺が怖いか、女。」
「こわくないよ」
「そうか」
織姫は手を伸ばすが掴む寸前でウルキオラの体は風に吹かれて消え去った。
◇◆◇
その後、逸早くルキア達の元に向かった一護を追って天蓋の下へと急ぐ。するとそこでは更木と白哉がヤミーと対峙していた。
「痛え〜…痛えぞクソがァ〜…許さねえ…許さねえぞ…よく俺様の足を斬りやがったな!!ぶっ殺してやるぞクソ虫がァ!!!」
大声で叫ぶと背後から巨大な岩の塊が飛んできた。それをヤミーは腕で叩き壊す。
「何だよ…そんなパンチもできるんじゃねェか…カユいんだよ、デケえハエかと思うだろうが。殴るならもっと全力で殴れ、芋虫野郎」
「…ぬかしやがるぜ…小バエがよオッ!!!」
ドォン!!
「剣八…!」
「…退がれと言った筈だ、黒崎一護」
「白…」
「兄の仕事は此処には無い。
早々に現世へでも消えるが良い」
「現世には行くさ!でもあいつを倒すのが先だ!!それにそんなホイホイ帰れる訳でもねえんだ!現世から浦原さんが開けてくんねーと…」
「そこは心配ないよ」
「!」
「やっと追いついた…って、うわあー…相変わらず更木隊長の戦いは派手だなあ」
苦笑を浮かべた。
「心配ないってどういうことだ?」
「浦原が開けなくても別の奴が開けてくれる」
「別の奴?」
「…ヤレヤレ…浦原浦原と喧しい事だネ」
「涅…マユリ…!」
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