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✱でもきっとハッピーエンド✱【BLEACH】

第26章 ヌレギヌ ト サイカ




森林を颯爽と駆け抜け、平子達の場所へと急ぐ。



もし…



犯人があいつだとしたら



何の為に私達を足止めさせたのか



何の為に数㎞離れた場所に虚を出現させたのか



わざわざ…瀞霊廷から離れた場所に。



例えば…平子隊長達が関係してるとしたら?



わざと離れた場所に私達を誘き寄せて



彼らの元に辿り着くまでの時間稼ぎをしてるとしたら?



「!」



そうだ…“時間稼ぎ”だ



全部繋がった──────!!



「頼む…間に合ってくれ!!」



走るスピードを上げて現地に着くと…



「!!」



既に戦いを終えた後だった────。



「ハァ…ハァ…ッ」



息を切らしながら周囲を見回す。



「遅かったか…」



そこには誰もいなく、争いの痕跡だけが生々しく残っていた。



梨央は悔しそうに顔を歪める。



「微かにまだ霊圧が残ってる…。平子隊長達と…浦原に握菱鉄裁…。それに…」



藍染



市丸ギン



東仙要



「くそ…っ!!」



まんまと罠にハマった自分の馬鹿さ加減に苛立ちが込み上げる。



「………………」



梨央は静かに瞼を閉じて意識を集中させた。



僅かな霊圧から“記憶”を読み取ろうとしているのだ。



「(ほぼ消失してて霊圧は辿れないが…“残滓”なら何とか…)」



次第に呼吸も整い始める。



梨央の脳裏に“記憶”が浮かび、此処で起こった出来事が再生される。



『やはり君は思った通りの男だ』



『今夜 此処へ来てくれて良かった』



『退くよ。ギン、要』



『!待……』



『もうすぐ彼女が此処へやって来る』



『!彼女…?』



『“全ての準備は整った”』



『時間稼ぎも成功した』



『“あれ”が仕掛けられたものだと知り、彼女は犯人が誰なのかを探し当てる』



『そして必ず僕に辿り着く』



『…彼女…梨央サンに何をさせるつもりですか?』



『何も。』



『嘘は駄目っスよ』



『彼女は“最後まで気付かなかった”』



『?』



『今日まで何もしなかった。
それが彼女が選んだ選択だ』



『何を言ってるんスか…?』



『彼女は素晴らしい逸材だ。だが…』


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