第25章 フリコ ト カコ
その日の夜───……
ガンガンガン!!!
外から鐘を打つような激しい音が突如鳴り響いた。
《緊急招集!緊急招集!
各隊隊長は即時一番隊舎に集合願います!!》
「緊急招集?」
「何かあったんスかね?」
「こんな夜中に?」
《九番隊に異常事態!》
「!」
「白ちんの隊だ…」
《九番隊隊長、六車拳西及び副隊長、久南白の霊圧反応消失!それにより緊急の────》
「とりあえず一番隊に行って来る。
キミ達は指示があるまで待機」
嫌な予感がする
この胸騒ぎはなんだ…?
「…………」
真っ先に頭に浮かんだのは彼女だった。
「ひよ里ちゃん…」
不安になる気持ちを抑えながら梨央は一番隊舎へと急いだ。
◇◆◇
【一番隊舎】
「三番隊隊長・鳳橋桜十郎、五番隊隊長・平子真子、七番隊隊長・愛川羅武、以上の三名はこれより現地に向かってもらう」
一番隊舎に各隊の隊長達が左右に分かれて並んでいる。
「二番隊隊長・四楓院夜一は別名があるまで待機。六番隊隊長・朽木銀嶺、八番隊隊長・京楽春水、十三番隊隊長・浮竹十四郎の三名は瀞霊廷を守護。四番隊隊長・卯ノ花烈は負傷者搬入に備えて総合救護詰所にて待機せよ」
「お待ち下さい総隊長。負傷者の処置を考えるのであれば私は現地に向かうべきではないでしょうか」
「状況が不明である以上、治癒部門の責任者を働かす訳にはいかん。現地には別の者を向かわせる」
ギィィ…
「…握菱鉄裁か…表に出てくるのは久しぶりだな…」
そして二人の後ろから…
「な…梨央!?」
「お久しぶりです」
「零番隊まで出動させるとは…想像してた事態よりヤバいってことだね」
「話は伝わっておるな。おぬしら二人には現地に向かってもらいたい」
「承知した」
「わかりましタ」
「それから梨央」
「はい」
「現地より数㎞離れた場所に無数の虚が大量発生したとの報告を受けた。おぬしら零番隊にはその処理に向かってもらいたい」
虚が大量発生?
突然だな…
「なんとしても瀞霊廷に突入される前に全滅させよ」
「了解です」
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