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✱でもきっとハッピーエンド✱【BLEACH】

第25章 フリコ ト カコ




「“化け物”を見る目だよ」



「…仁科隊長が化け物なんて思うてへんよ?」



「嘘はいけない。隠しても無駄だ。私はそういうのには敏感だからな。キミは私を化け物か、或いは───“得体の知れないもの”だと思っている。その眼は、それを物語っているよ」



市丸が向けた水色の瞳は、“拒絶”と“嫌悪”で染まっていた。



「まぁ…キミが私に対してどういう思いを抱くかなんてのは正直どうでもいい。化け物ならそれでいいさ。ただ…私はキミのことを好きになれそうにない」



何の感情も宿さぬ冷たい瞳で市丸に言う。



そんな彼女は市丸に対して好印象など抱いてるハズもなく…。



梨央は思った。



“まるで蛇のような少年”だ──────。



舌先で獲物を捜して



這い回って



気に入った奴を



まる呑みにする



“光をも喰らう蛇”だと────。



「これで話は済んだな、藍染」



「はい。貴重なお時間を割いて頂き有難うございます」



「私はこれで失礼する。
じゃあね、小さな死神クン」



後ろ向きに手を振ってその場を立ち去った。



「…どうだいギン、彼女は?」



梨央の姿が完全に消えると藍染は態度を豹変させた。



「あれが死神の頂点に君臨する少女だ」



「たしかに威圧感が半端なかったですわ」



「彼女は異形だろう?」



藍染は涼しげな表情を浮かべて言う。



「彼女の強さは並外れていて、敵さえも圧倒する。彼女が少し霊圧を上げただけで敵は地に伏せ、身動きがとれなくなる。彼女の存在は────この世界に在ってはならない」



「…零番隊を束ねる実力者。
簡単にはいかへんやろなァ」



残念そうに肩を落とす市丸だが口許は微かに笑っている。



「でも強そうやけど…早死にするタイプやね」



「彼女で遊ぶなら気を付けた方がいい。ご覧の通りの短気さだ。機嫌の悪い時に触れれば、こちらが痛い目を見る事になる」



「それは怖いなァ…」



言葉とは裏腹に市丸の声は楽しそうに弾んでいる。



「これは…ええモンと出会えたわ」



水色の双眸が、ゆっくりと、細められた。



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