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✱でもきっとハッピーエンド✱【BLEACH】

第25章 フリコ ト カコ




「おーい、山じい」



緊迫する空気の中、その糸を切らすように京楽の陽気な声が響いた。



そんな京楽を山本は鋭く睨み付ける。



「や、すんません。あのさ、状況も分からない前線に大鬼道長と副鬼道長の両方が行っちゃうのはマズイんじゃないっすかね?」



「…ならば何とする」



「代わりにうちの副隊長を行かせますよ」



「今から呼ぶのか?」



「そだよ。お〜〜いリサちゃーん」



「何や!」



「ほらね」



ぴょこっと現れたリサ。



「隊首会のぞき見しちゃダメって言ったでしょ」



「しょうがないやろ。隠れるもんほど見たくなるのが人の性や!」



「話は?」



「聞いとった」



「頼める?」



「当たり前!」



「じゃ、よろしく」



親指を立てて現地に向かうリサ。



「…リサちゃん!」



「!」



梨央はリサを呼び止める。



リサは心配そうに見つめている梨央に気付いて、口許に笑みを浮かべた。



「そんな顔しとったらひよ里が悲しむで」



「うん…ごめん」



「あんたは笑っとった方が可愛ええんやから」



梨央は真っ直ぐな目でリサを見て言う。



「必ず…全員で帰ってきて」



「当たり前やろ」



「気をつけて」



「あんたもな」



フッと笑ったリサは現地へと向かって行った。



「…勝手な真似をしおって…」



「だってこんなでっかい案件滅多にお目にかかれるもんじゃないだしょ。部下に経験積ませてやりたい親心、わかってもらえませんかね。そんな訳でゆずってもらっちゃっていいかな?大鬼道長さん」



「構いませんぞ。それでは私はお言葉に甘えて休ませて頂くとしますかな」



カッ



「それでは鳳橋桜十郎、平子真子、愛川羅武、有昭田八玄、矢銅丸リサ以上の五名を以って魂魄消失案件の始末特務部隊とする!!」



山本は持っていた杖で床を叩く。



「同時に仁科梨央、高峰蒼生、流祇流雅、御影琉生、一色詩調、鬼灯霙の零番隊を出動させ、大量発生した虚を一匹残らず始末せよ!!」



この時はまだ誰も知らなかった


微笑みを湛えた悪魔が


死の足音を鳴らして


すぐ近くまで迫っていることを…



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