第24章 セカイ ト ヤクメ
織姫を連れ去ろうとする十刃に向けて梨央達は同時に刀を振り下ろすが、一歩遅かった…。
「…消え…た…」
こんなことする奴は…
「藍染───!!」
苛立ちと悔しさが押し寄せ、憎たらしげに顔をしかめた梨央は声を張った。
《聞こえるかい?侵入者諸君。》
「この声…」
「天挺空羅を使ってるな」
《ここまで十刃を陥落させた君達に敬意を表し先んじて伝えよう。》
《これより我々は現世へと進攻を開始する。》
「何だと…!!」
「織姫ちゃんは…」
《井上織姫は第五の塔に置いておく。
助けたければ奪い返しに来るが良い。》
《彼女は最早、用済みだ。》
「…何…!?」
「用済み…」
《彼女の能力は素晴らしい。》
《“事象の拒絶”は人間に許された能力の領域を遥かに凌駕する力だ。》
《彼女の存在は尸魂界の新規戦力となるであろう。》
《“死神代行”を含む“旅禍”を虚圏へとおびき寄せる“餌”となり更にはそれに加勢した四人もの隊長をこの虚圏に“幽閉”する事にも成功した。》
ズズズッ
「私達の通って来た4本の『黒腔』が全て封鎖された…!?」
「な…こ…こっちからもう一回開くことはできないのか!?」
「無理だ。黒腔の構造を解析できるのは現時点では浦原一人だけなんだよ。こちらから彼に通信する手段が無い限り再び開くのは不可能だ」
悔しそうに顔を歪める。
《フッ…残念だったな、仁科梨央。》
「!」
《君は“また”、間に合わなかった。》
「藍染…!!」
《だが…“面白いもの”を見させてもらった。》
「……………」
梨央は怖い顔で睨みつける。
《我々は空座町を滅し去り王鍵を創生し尸魂界を攻め落とす。》
《君達は全てが終わった後でゆっくりとお相手しよう。》
「空座町が…消える…!」
ダッ
「待てよ一護!!どこ行くんだよ、今てめえが動いて何かできんのか」
「じゃあどうしろってんだよ!!空座町が危ねえんだぞ!!このままここで待ってろってのか!?」
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