第24章 セカイ ト ヤクメ
「…そうかよ…だったら尚更…まだ終わりじゃねえ…俺はまだ…戦えるんだからよ…!」
何がそこまで彼を奮い立たせているのか
ただの負けず嫌いか
それとも…
「“彼女”が関係してるのか…」
チラリと織姫に抱えられているネルに視線を向ける。
「…どうした…何とか言えよ…怖えェのか…!?
言えよ…!俺が怖えェかよ!?死神!!!あァ!?」
「…ちっ…面倒臭えな…しょうが無え、来いよ」
互いの刃が激しくぶつかり合う。
ノイトラの中で過去の思いが渦巻く。
軽々しく情けをかけられ
簡単に傷口を踏み躙られた
「…勝負あったな」
だがそんな強い思いも
力ではどうすることもできない
更木に斬られたノイトラは崩れ落ち、胸からは大量の血飛沫が飛び散る。
そんな倒れゆくノイトラの視線の先にはネルの姿があった。
「…ノイ…トラ…?」
意識を取り戻したネルはノイトラの名を静かに呼ぶ。
その声を最期に
ノイトラは息耐えた────。
「愉しかったぜ、ノイトラ」
やっと終わったか
「お怪我はありませんか?やちる先輩」
「うん、大丈夫!」
隊首羽織を脱ぎ捨てた更木は一護の許に向かう。
「剣八…」
ガシャン!
「うおおっ!?」
「わー」
「む…ムチャクチャすんなよ、おま…」
更木は一護の胸ぐらを掴むと放り投げた。
「何すんだテメー!!」
「拾え、剣。拾ったらとっとと女連れて帰れ、てめえの仕事は終わりだ。こっからは俺らがやる」
「な…何言ってんだよ!!
ここまで来たんだ!!俺も…」
「てめえは何だ?死神代行だろうが。あの街を護んのがてめえの役目だ。違うか?その女を助けりゃ満足だろうが。わかったらさっさと帰れ。大体もう充分斬り合い楽しんだだろうが、てめえはよ」
「…え?」
「女ァ!俺の傷を治せ!!」
「は…はい!」
更木に呼ばれて走り出す織姫。
だがそんな彼女の前に突如、十刃が現れた。
「「「!?」」」
ぽん
「悪いね、本トこういう面倒なの好きじゃねえんだけど」
まずい!!
「ちょっと借りるよ」
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