第24章 セカイ ト ヤクメ
「…終わりだ死神」
「はっ、はははははははは!!!!!」
「!?」
「いいじゃねえか!!最高だ!!こうでなきゃいけねえ!!何が終わりだ!?俺にもようやく穴があいててめえと対等になったところだ!!」
更木は刀を構える。
「さあ“始めようぜ”十刃」
二人はまるで殴り合うかのように、刃同士をぶつけ合う。
どちらも手を緩めず、互いを斬ることだけを望んでいる。
そして戦いは終盤に差し掛かり────……
「目障りなんだよ!!さっさと死ね!!!」
肩を斬られた更木は首筋に手をやる。
「…ちっ、このままじゃア本当に死んじまうな…」
「…剣ちゃん」
そして、こう呟いた────。
「…嫌だなァ…死ぬのは」
驚いた
あの更木剣八が
死を恐れるなんて
「…やれやれ…しょうがねえ…
久しぶりにやってみるか、“剣道”ってのをよ」
「…何だと?」
「十三隊に入った頃、一時ジジイにハメられてやらされた事があってよ…性に合わねえし剣の道なんぞとぬかしやがるスカした名も気に食わねえんで使わなかったんだが…一コだけ納得した事があったんだよ」
そういえば
私も子供の頃
母に剣道を教えてもらったことがあるけど
めちゃくちゃスパルタだったな…
「知ってるか?剣ってのは片手で振るより両手で振った方が強えェんだとよ」
「…あァ…?…何言ってんだてめえ?
そんなもん…分かり切ってんだろうが!!!」
「…分かり切っちゃいねえさ…」
両手に持ち替えた更木は力強く握り締める。
「知らねえだろ?どのくらいの強さが違うのか」
向かい来るノイトラ目掛けて更木はしっかりと握り締めた両手で刀を勢い良く振り下ろした。
「…へえ、まだ生きてんのか」
呼吸することさえ苦しそうなノイトラに不敵な笑みを浮かべる。
「呆れたぜ、頑丈な野郎だ」
そう言って更木は立ち去ろうとする。
「じゃあな」
「!ま…待て!!」
「何だよ、うるせえな」
「どこ行きやがる…!
まだ終わってねえだろうが…!!」
「馬鹿が、終えだ今ので。戦えなくなった野郎にわざわざ止め刺す義理ァ無えんだよ」
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