第22章 サンケタ ト ハクダツ
突如地面から現れた白砂の番人と名乗るもの。ネル達は驚いてルヌガンガを見上げる。
《今し方『虚夜宮』より侵入者アリとの報が入った。よもや、ぬしらの如きゴミ虫が侵入者共と通じておろうとは…許さぬ。ぬしらまとめて砂漠の砂にしてくれる!》
「イヤ、あの違うんス!ネルたつはホント…っ」
「のいてろ」
「へ?」
「月牙…天衝!!!」
一護の放つ斬撃がルヌガンガを真っ二つに切り裂く。
「よし!」
「あああ〜!」
「イキナリだ!ふいうちだ!
ズルっこだ!ワルモノ〜!!!」
「ウルセーな、いいだろ助けてやったんだから。大体、真ッ正面から斬ってんだから不意打ちじゃねえ…」
「残念ながら安心するのはまだ早いようだ」
《不意打ちして尚反省無し…侵入者…益々許さぬ!》
「どうすんのさいっちー。敵がご立腹だよ。キミが中途半端に終わらせるから」
「あたり前だァ。ルヌガンガ様は砂だもの」
「“砂だもの”じゃねえよ!!あいつオマエらも狙ってんだぞ!のんびり構えてんじゃ…」
「躱せいっちー!!」
「ねェッ!?」
ズン
「く……っ」
「砂じゃ刃は通らないなぁ」
「くそっ!何とかなんねえのか!!梨央!!」
「任せて!虚圏ごとこの世から消してあげる!これで全て解決だネ☆」
「アホか!!解決どころか俺達まで死ぬわ!!つーか目を輝かせながら物騒な事言うんじゃねえ!!次!石田!!」
「ムリだね。弓じゃ穴が空くだけだ」
「チャド!!」
「砂相手じゃムリだと思うが…やってみるか?」
「逃げるぞ!作戦タイムだ!
とりあえずあいつから離れろ!!」
「バワー!回れバワー!!」
《 逃 が す か !!! 》
突然地面に大穴が広がる。
「う…おおおおッ!?」
「蟻地獄にハマっちゃったよ!?」
「わかってるよ!!」
「何か脱出方法は!?」
「ネル!!あいつ何か弱点とか無えのかよ!?」
「わわっ…ワルモノに教えるワケにはいかねっス…!」
「アホか!?このままじゃオマエらも砂に呑まれんぞ!!」
「み…水!!水っス!!」
「水!?砂漠で水!?」
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