第21章 オリヒメ ト ユウカイ

一護と待ち合わせをし、“ある場所”に向かう。



「マジで虚圏の行き方知ってんのか？」



「今から会う人物が教えてくれる」



「誰だ？」



「それを当てるのがキミの役目でしょ？」



「いや、そんな役目知らねーけど」



「今決めた！」



「そんな理不尽な決め方あるか！」



「だってすぐ教えたらつまんないじゃん。私は頭を必死に使って考えてるキミの困り顔が見たい」



「オマエ性格悪いな！？」



「何か言った？」



「ナンデモナイデス…」



黒い笑みを向けられ、一護はビクリと肩を揺らす。恐縮した身体が縮こまる。



「つーか…いいのかよ…」



「何が？」



「ジイさんにバレたらまずいんじゃ…」



「バレたらいつもより長めの説教コースかな。いやぁー総隊長に反発しちゃったからね」



「呑気に笑ってる場合か？」



「秤に掛ける迄も無いって言われたじゃん？あれってさ…秤に掛けなくても織姫ちゃんの命は世界の全てよりも軽いって言ってる様なものだよね」



「……………」



「だから今回は総隊長の命に背く」



「井上…無事だよな…？」



「キミが信じないでどうすんの」



「そうだな」



「ところで答えは解ったかな」



「答え？」



「さっきのクイズの答えだよ」



「いや解んねえよ」



「仕方ないな。答えを教えてあげよう」



短く溜息を吐く。



「正解は…」



チラッと横を見れば期待の眼差しを向けている一護がいる。口許を緩めた梨央は両手を後ろで組み、意地悪そうに笑った。



「やっぱ教えるのやーめた！」



「は…はあああああ!!?」



「しー！静かに！近所迷惑！」



「オマ…ッ！散々溜めといてこういうオチかよ！つーか最初から答え教える気なかったろ！」



「バレた？」



「もうやだコイツ…」



「ふっふっふ」



「お前、俺で遊ぶのが楽しいだけだろ」



「うん♪」



何か言いたげな一護を無視して浦原商店に着いた。



「──いらっしゃい、来る頃だと思いました。梨央さん、黒崎さん」



そこで待っていたのは浦原だった。



「そういうことか」



「そういうこと」



「…用意…できてますよ」



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