第15章 暴かれた真実と罪の代償
「正体を明かせば?」
「何わけわかんねえこと言ってんだ」
「無駄にカッコつけて言うんじゃねえよ」
「お前が死ねば全て終わるんだよ!」
「そうだ!とっとと死ね!」
「桃香ちゃんから離れろ!」
所々から飛び交う罵倒を無視して、桃香に歩み寄り、口を開く…。
「“女王様気取りもいい加減にしろ”」
「っ───!?」
「キミは自分の立場を弁えていないようだな」
「(なん、なのコイツ…!?さっきまでと雰囲気が全然違う…怖い。怖くて言葉が喉をつっかえて出てこない…ッ)」
カタカタ…
「(え!?どうして震えてるの!?)」
桃香は自分の身体が震えていることに気付き、驚いた。
「(コイツなんかに…恐怖を感じてるの?)」
何とかして震えを抑えようとするも、恐怖心からくる震えは更に激しくなる。
「(嘘よ!!アタシがコイツに怯えるなんてありえない!!だから…早く止まって!!)」
「そろそろ終わりにしよう」
「っ、」
桃香は思わず身構える。
パチンと指を鳴らせば、淡い光が流歌の全身を包み込む。
「うわっ!眩しい!」
「な、何だ!?」
隊士達はその強い光に目を開けていられず、腕で覆い隠す。しばらくして光が消えると、そこに流歌の姿は無く、代わりに一人の少女が立っていた。
「一体何だったんだ…」
「ん?神崎はどこだ?」
「消えちまったぞ…?」
「まさか地獄に落ちたのか!」
「あはは!マジか!」
「んだよービビらせんじゃねえよ」
「やっと死にやがったか!」
初めは驚いていた隊士達も、流歌が死んだと勘違いしたまま、爆笑する。
だが…それを裏切るように、口許に笑みを作った少女が、言った。
「逆にキミ達をこの世から消してやろうか」
「「「!!!」」」
「命乞いをして泣き喚く姿を余興として見物するのも面白い。無様に恥を晒し、尸魂界の笑い者になれ」
凛とした表情で辛辣な言葉を吐いた。馬鹿にするように鼻で笑い飛ばし、軽蔑の眼差しで隊士達を見る。
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