第14章 零番隊vs護廷十三隊
「ナメんなよガキが」
「瞬殺してやる」
「負け犬の遠吠えだね☆」
「てめえは俺達には勝てねえよ」
「それはどうかなァ」
「きっちり潰してやるからな」
「あはっ♪潰されるのはそっちでしょ♪」
不穏な空気が流れ始めた。
「始め!!」
合図と共に一斉に刀を引き抜いた隊士達が霙に向かって突っ込んで行く。
「ふふっ、どうやって仕留めようかな〜」
楽しげに声を弾ませる霙も鞘から刀を引き抜いた。柄頭の部分は硝子で出来た桜の装飾が紐で括り付けられている。
「少し遊んであげよっと」
霙の悪戯心に火が付いた。その場から瞬歩で消えると隊士達の目の前に現れる。
「「!?」」
驚いた隊士達は足を留めるも、ニヤリと笑う。
「(好都合!!)」
刀を両手に持ち替え、握り締める。
「自分から殺られに来るとはなァ!」
「考えが読めてんだよ!!」
「もらったァ!!」
霙を取り囲み、一斉に刀を振り下ろした。だが防ぐこともせず、身体に触れる寸前、にこりと笑んだ霙は姿を消す。
「躱した!?」
「何だ今の!?」
「瞬歩か!?」
「くそ!!どこに消えた!!」
「鈍間〜♪亀さんより鈍間〜♪」
上機嫌に歌う霙は隊士達から少し離れた距離で彼らの狼狽えっぷりを傍観していた。
「もう一度囲んであいつの動きを止める!」
「瞬歩を使う暇を与えるな!」
ザッ
「また同じ作戦?学習しないね〜」
やれやれと呆れる霙を隊士達は取り囲む。
「懲りないなー。そんなんじゃ霙は…」
背後から迫る気配に気づいている霙は、可笑しそうに笑い、そして…。
「倒せないよ───!!」
ガキィン!!
「なっ…!?」
隊士が振り下ろした刀を振り向き様に自分の刀で受け止める。その作戦も失敗し、隊士達は唖然とした。
「まじで強いのかこいつ…!」
「こんなに強いなんて聞いてねえよ!」
「敵の背後を襲う時は気配を消さないとネ☆」
“常識だよん♪”、そう言って霙はパチンとウインクをし、隊士の刀を弾き返す。
「っ……!!」
軽く押し返しただけなのに
隊士は軽く吹っ飛んだ。
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