第13章 特別隊首会
「その言葉、嘘じゃねーな?」
「ええ。その代わり、僕達が勝ったら…零番隊の復活を認めて頂きます。“ギブ&テイク”…最高の提案でしょう?」
零番隊が隊士達に『与える』のは“神崎流歌の処刑”と“零番隊の復活を白紙に戻す”事。そして『見返りとして貰う』のは“真実の追求”と“零番隊の復活を認めさせる”事。
隊士達が零番隊に『与える』のは“零番隊の復活を認める”事。そして『見返りとして貰う』のは“神崎流歌の処刑”と“桃香への謝罪”。
まさに【ギブ アンド テイク】だ。
「あぁでも…敗けるのが怖かったら無理にこの提案を呑まなくていいですよ?別に犬のように尻尾を巻いて逃げても恥ではありませんから」
「あ…?」
「まぁでも…戦わず逃げるのは負け犬ですよね」
わざと挑発するようにニヤリと笑えば、みんなはどこか“やれやれ…”と云った表情を浮かべている。
「隊長の悪い癖だわ」
「ホント敵に回すのが上手いよねー」
「そこが彼女の良いところっスよ」
「君の妹は怖いもの知らずだね」
「あいつだけは敵に回したくねーな」
「蒼生は梨央に甘いから結局言うこと聞いちゃうんじゃない?」
「んなわけあるか」
「泣いたら何でも許すくせに」
「……………」
「冗談だよ」
「顔が笑ってんだよ」
蒼生は小さく舌打ちをした。
「負け犬だと?」
「てめぇ馬鹿にしてんのか」
「そんなつもりはないです」
「随分と余裕じゃねえか」
「余裕ですよ。だって僕達が敗北するなんてあり得ませんから」
「そんなの分かんねーだろうが」
「分かります。僕達は零番隊です。零の名を背負い、霊王を護る為に在ります。なので零番隊に敗北は許されない」
「だったらこの勝負でどっちが強いのか分からせてやろうぜ」
「てめえら零番隊が強いのか。それとも護廷十三隊の隊長達が強いのか」
「そっちが敗けた時点でお前の処刑が決まるんだ。楽しみじゃねえか!」
「零番隊も白紙に戻る!」
「必ず隊長達が勝つ!」
「桃香ちゃんに土下座して謝れ!」
「今までの詫びも兼ねてな!」
「約束は守ります」
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