第13章 特別隊首会
その自信に満ち溢れた表情に隊士達は苛立ちを募らせる。そして桃香は誰にも気づかれないように口許に笑みを浮かべた。
「(これはチャンスだわ!!隊長達が勝てばあいつの処刑が決まる!!つまり…あたしの勝ちってことよ!!)」
ニヤける口許を手で隠す。
「(いくら隊長だからってあいつの力なんてたかが知れてるわよ。だって弱々しい霊圧なんだもの。あの男は隊長の器じゃない…!!)」
やっと復讐できる!!
ゴミ虫と罵り
あたしを侮辱したあいつに!!
完全勝利するのよ!!
「(どんなに頑張っても結局はあたしには敵わない。ふふ、ざまあみろ!!)」
心が躍る気分だった。
「(やっぱり運はあたしに味方したのよ!!ああ早く…あの男が地獄に落ちる瞬間をこの目で見たいわ──!!)」
想像するだけで待ちきれない。そんな桃香を余所に、話は進んでいく。
「提案を呑んで頂けて嬉しいです。そうと決まれば早速…。総隊長、鍛錬場を貸して下さい。それと審判もお願いします」
「うむ、引き受けよう」
「ありがとうございます」
流歌は軽く笑む。
「ではルールの説明です。十三隊の方々は始解・卍解の使用を許可します。それと鬼道も使って構いません。指名はこちらからするので自分の名前が呼ばれたら出てきて戦ってもらいます」
次に流歌は蒼生達を見る。
「零番隊は六席から順に出る。始解は許可するけど卍解や制御装置を外して戦うのは禁止」
「制御装置外すまでもないよ〜」
「卍解使う程の事でもないっスね」
「いやつーかそれ以前に浅打でどう戦えってんだよ…」
「浅打じゃ何も出来ないしね」
「それは問題ない」
「何とかなるの?」
「もちろん」
ニコッと笑んで流歌は答えた。
「それから十三隊側は制限時間はありませんが零番隊側は一人につき5分以内に決着を付けてもらいます」
そのルールに隊士達は驚く。
「時間を過ぎれば失格と見做し、その時点で勝負は終了。ルールの説明は以上です。何か異論はありますか?」
「ないよー!」
霙は代わりに答える。
「では…始めましょう」
流歌はニヤリと笑った。
next…