第13章 特別隊首会
「あーおいくん!」
伏せていた目を流歌に向ける。
「大丈夫!私がいるよ!」
「!」
「だから笑って!」
にこーっと笑う流歌の無邪気さに蒼生もつられて眉を下げ、切なげに笑う。
「おそろい」
「…アホ面」
「むー!ひどい!」
「お前より先に死ぬかよ」
「うん…死なないで」
「頼むから…いなくならないでくれ」
「……………」
「お前が死んだら俺も死ぬぞ?」
どこか辛そうに笑う蒼生は手を伸ばし、流歌の頭に手を置く。
「死なせない。キミは私が死なせない」
「あぁ……」
蒼生は手を退かす。
「(だからキミは何も知らなくていい。)」
そっと胸にしまい込み、微笑んでみせる。
「ここからが本番だ」
「そうだね」
「戦う準備は出来てるか」
「最初から出来てる」
「お前は俺の自慢だ。何も心配するな。俺がついてる。だからお前らしく頑張れ。」
「うん。頑張る。」
二人は笑い合う。
「もし頑張れない時は俺を見ろ」
「わかった」
「俺が背中を押してやるから」
「…ありがとう」
「俺がそばにいる」
「うん…」
肩を並べる二人の手が、ゆっくりと互いの手に伸びる。
「「…………」」
どちらともなく伸びたその手は、互いの指を絡め、繋ぎとめられた。
「良い仲間に恵まれたね」
「個性強めだけどな」
「色んなタイプがいて面白いじゃないか」
「面白いか?」
「彼らの出会いに感謝しなくちゃね」
「これも…運命だったのかもな」
「運命……」
二人は楽しそうに話している四人を見つめる。
「そろそろ始まる頃か」
蒼生は壁に掛けられた時計を見た。
「あいつら呼んでくる」
繋がれた手がスルリと解ける。歩いて行く蒼生の後ろ姿を悲しげに見つめた。
「本当に頼もしい…自慢のお兄ちゃん。私の…世界で一番、大切な人…」
同じ顔 同じ瞳
全てが瓜二つ
ただ違うのは…
「キミの抱えるものと私の抱えるものが違うということ…」
蒼生を見つめたまま、悲しそうに笑んだ。
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